アクトインディ 村下優美氏② 会社は自分が成長できる場所

日本の少子高齢化という課題に向き合い、情報サービス事業を展開する「アクトインディ株式会社」管理部総務担当の村下優美氏インタビュー後半は、総務の仕事、フルフレックス制について、学生へのメッセージなどを伺いました。
-仕事内容と働き方
入社した時は、シニアマーケティング事業部に配属され、『葬儀サポートセンター』の相談スタッフとして、葬儀の相談メールや電話で対応をしていた。
逝去されて直ぐの相談もあれば、余命宣告を受けて事前に準備をしたいという相談もあり、それぞれのケースに対応できるよう知識を身に着け対応の仕方を学んだという。
また、石材店(お墓)や納骨堂の紹介など一般の方からの相談対応や、石材店など業者への対応などがあり、広告営業的なこともしていた。
葬儀と葬儀後の供養に関するWebサイト「エンパーク※」(現在はシニア向け情報サイト)もスタートし、葬儀全般の知識や供養の方法に関する記事を編集することもあった。
役に立つ記事で、かつWebの検索エンジンで上位に表示されるような対策を練るなどマルチな業務をしていたそうだ。
現在は、総務の仕事をしている。
同社は4月に引越しをしたところだが、村下氏は移転の手続きや業者の手配などの対応をした。
身近なところでは、来客用のお水の手配や社内の美化も総務の仕事になる。
また、就業規則の見直しや勤怠管理など社員のフォローや会社の環境整備なども総務の大事な仕事。
他にも、「どの部署にも所属しないものが降りてきたりもして、常に全体を見渡している感じです」と説明する。
社内制度が変わっていくなかで、「本当にこの制度でいいのか、こういう働き方を取り入れた方がいいのではないか」といったお堅い部分も担当する。
社員への研修で、会社の歴史や文化を伝えるのも総務の重要な仕事だと話す。
総務の仕事は日々改善。
「成果がわかりにくく業務自体は地味ですが、その積み重ねで会社全体の今後の発展につながるという思いはあります」とやりがいについて語った。
-フルフレックス制について
同社は、コアタイムなしのフレックスタイム制ー「フルフレックス制」の勤務形態を採っている。
基本的には、自分が希望する勤務時間が上長に承認されればその時間で勤務することができる。
例えば、朝自宅で記事を書いて、子供を保育園に送ってから出社して編集会議に出て、夕方早めに退社して子供を迎えに行き、急ぎの案件が無ければそのまま終業。その日の業務によっては夜自宅でちょっと作業をするという働き方もある。
繁忙期に併せて時短勤務を活用したり、業務の時間をずらしたりということもある。
8時~17時の方が集中できるという人は、固定にする社員もおり、効率よく働けるように各自が活用している。
-勤怠管理の方法
フルフレックス制を採用する同社では、実働時間が所定労働時間(1日8時間×営業日)を満たしているかどうかを毎月チェックして管理している。
実際に勤務した時間を記録し、月間で集計する。
フルフレックス制は、生産性を向上させてみんなが働きやすい環境を作ることを目的にしている。
社員同士で協力して仕事をしているので、あまりにも自分勝手な働き方になってしまうと、生産性が落ちてしまう。
「社員同士やチーム間のコミュニケーションがきちんと取れているかを外側から見て気にするようにしています」と総務としての立ち位置について話してくれた。
-フルフレックス導入の成果
「イライラしている人が少ないです(笑)」
たとえば電車遅延による遅刻や、通勤ラッシュ満員電車で来て会社に着く頃には疲弊しているというようなことを避けられるので、ある程度ストレスは軽減できているのではないかと村下氏は言う。
それぞれの事情に合わせて勤務時間を調整できることで、個々の働き方に関するストレスを減らし、パフォーマンスが発揮しやすいようになる。
「自分が希望する時間で働くには、協力してくれている仲間がいる」という意識が社員にもあり、「思いやりを持って働く」という意識が根付いているように感じているそうだ。
「弊社は子育て世代が多いので、先ずはその人達が働きやすくなることをひとつのきっかけにしたい」と言い、「子育てしている人が柔軟に働きやすければ、そうでない人も働きやすい環境につながるのではないかと思います」と話す。
近い将来、介護などの問題を抱える社員も出てくる可能性を挙げ、
「自分と関係する人との生活の中で仕事をするということになってきますので、"子育てに限らず他のことをしながらでも働きやすい環境”というのが大事になると思います」と今後の課題について語った。
-(女子)学生へのメッセージ
「色々考えるよりも先ずは足を動かせ」という感じですね。
人生の選択肢がどんどん広がっているので、自分がやりたいことを大事にして欲しいです。
20代の女性はライフイベントに関する情報も多く、結婚や出産もそうだし、キャリアを築く人もいるし、自分がどうしたいかを考えて、自分から動くことが大事です。
「自分の幸せは自分で切り拓くもの」くらいの気持ちでいるといいと思います。
社会に出たらいっぱい悩まなければならないので、学生のうちは興味のあることに気軽に取り組めばいいと思います。
自分自身、もっと勉強しておけばよかったという後悔があるので、学生さんには今のうちにいろいろなことに挑戦することを勧めます。
就職活動については、「自分が納得できる選択をすることが大事」です。
情報収集するなり、誰かに相談するなり、選考をいっぱい受けるなり、自分ができることをしっかりやって、納得できるようにすることだと思います。
村下氏の「会社に育ててもらった」という言葉が印象的でした。
社会人になっても周りの環境で自分の成長を感じること
昭和女子大学4年 大杉瑠理