2019年のRanRunスキルアップ「ホンモノに学ぶ」では、インターン生の土屋里恵(昭和女子大学3年)が担当。自身が就職活動に向かう前に知っておきたい情報として、同年齢で社会人として働く女性にインタビューを行った。
小さい頃から憧れていた教師という職業に就くために、大学進学を選んだ。
教職に必要な授業に出席し学ぶ度に、「教師」という仕事の「魅力」や「やりがい」は自分が思い描いていた以上に大きなものだと感じている。
それと同時に、ボランティアやインターンシップなどの活動、人との出会いを通し、今まで知らなかった職業を知り、興味や関心の幅が広がった。
自分の知らない分野について話を聞くことは、新たな知識や考え方、「気づき」を得る近道だ。
自分のように就職活動に不安を抱いている同年代は少なくない。
大学や企業の説明会で話をする方は、周囲から優秀と評価されていたり、ある程度の経験を積んできた上の世代であったりと、普通の学生からは少し距離のある人たちだ。
そこで、社会に出て1年目、3年目の自分たちと同世代の視点での話を聞きたいと考えた。
これから就職活動を始める学生のために、そして自分自身の生き方を考えるために、取材し情報を共有する。
医療器具製造会社に勤務する須藤菜々さん(仮名)は、埼玉県在住の21歳。
高校を卒業後、現在の企業に就職し3年目を迎えた。
1年目は製造部、2年目の途中から開発部へ異動となり、日々実験や開発作業に従事している。
高校生の就職活動は大学生とは異なり、最初に受けた企業の採用試験の合否が出てから次の企業を受けることになる。
複数の企業の採用選考に臨み、就職する企業を選ぶ大学生の就職活動とは大きく異なり、最初に受ける企業選びの難しさがある。
知識不足だった企業選び
須藤さんは、当時高校生、福利厚生制度などの知識や理解が乏しかったため、会社のブランド名や認知度などで企業を選んだ。
実際に入社してみると、福利厚生などもきちんと整えられていてとても良い会社であることを知った。
大変だった部署異動
入社2年目に部署が異動になった時は、仕事の内容や環境など全てが変わり苦労した。
自分は一番下の立場であり、先輩や上司との関係の構築や、一緒にプロジェクトに取り組むための勉強など、今でも日々学んでいる。
学生時代テニス部に所属していた須藤さんは、部活で身につけた先輩や監督への気配りや言葉遣いなどが、先輩や上司との関係作りに役立っていると話す。
プロジェクト活動は部活動と似ている部分があるという須藤さん。
同じ目標へ向かっていくためにチームワークを大切にしているところ、情報共有をきちんと行い効率よく物事を進めることなど、求められるスキルは共通している。
スポーツを通して培った力
ただやるのではなく、いかに効率よく成果を上げることができるかを考えることは、仕事をするうえでとても重要だ。
テニスの試合においても、どうやったら相手から得点できるかを常に考えていたので、仕事をしながら考え工夫していくことは苦労しなかった。
仕事をするうえでの情報共有は、部活以上に大切になってくる。
個人で行ったことをはじめ、チーム全体に共有する情報量の多さは、部活のそれとは比較にならないため、仕事での情報共有には苦労も多い。
何をするにも健康で体力があることは大前提。
部活動で鍛えた体力や身体の丈夫さは、どんな力よりも役に立っていると感じている。

学生アルバイトと社会人として仕事をする違い
それは、責任感の違いだと思う。
もちろんアルバイトの時にも自分の行動に責任を持っていたが、社会人は自分のミスについて理由と改善策をしっかりと示さなければいけない。
学生はやりたくないことを進んでやる必要は無いが、社会人はやりたくないことでも責任を持ってやらなければいけない。
また、社会人として常に周りを意識して動かなければいけない。
仕事を休むということは、周りの人にその分負担をかけるということになる。
そういった配慮などもしながら行動することが求められる。
磨いておきたい社会スキル
開発部に異動してからエクセル、パワーポイント、ワードなどのパソコンスキルにとても苦労した。
情報共有にも効率が求められるため、誰が見てもわかるような資料作りを心掛けている。
空気を読むことも大切だが、時には自分の意見をしっかりと言えることも大切だと言い、自分で処理できる仕事かそうでないかという判断をしないと、自分を追い詰め、結果として周りに迷惑をかけることになるので、自分を知ることが重要だと話す。
就活生へのメッセージ
企業はしっかりと選ぶことが大切である。
インターンシップや会社見学などを利用して、そこで働く人がどのように働いているかをよく見た方がいい。
社員の表情、話している内容、雰囲気などから得られることはある。
人間関係は入社してからでないと見えてこない部分は多いが、業務の内容や福利厚生といった部分は説明会で聞いたり、自分でしっかり調べたりして、自分の理想に近いところを選んで欲しい。
今後の目標
新しく入ってくる後輩をしっかりサポートできるようになりたい。
今まで一番下として先輩や上司に育てて頂いたので、今度は自分が後輩を支えられるようになりたいという目標を持っている。
自分自身、はじめは先輩方に質問しづらく苦労したので、後輩ができたら状況を確認して後輩が働きやすい環境を作りたいと話す。
取材 RanRun学生スタッフ 土屋里恵(昭和女子大学)
