普段、みなさんが洋服を買うときは、上から下まで一式お店で揃えますか?
それともアイテムごとに選びますか?
服を着たときに「統一感」を出すのは、意外と難しいものです。
東京都主催のファッションコンクール「Next Fashion Designer of Tokyo 2026(NFDT)」
「Sustainable Fashion Design Award 2026(SFDA)」の最終審査に臨む二次審査通過者向けワークショップが2026年1月16日、原宿にて開催されました。
前回10月30日に引き続き、今回もワークショップにお邪魔しました。
今回の取材を通して感じたのは、「個性」と「統一感」を両立することの難しさです。
ワークショップのテーマは「商品化体験」。
ゲスト講師として、デザイナーの高橋悠介さんが登壇し、最終審査に向けた実践的なアドバイスが行われました。
高橋さんは文化ファッション大学院大学を卒業後、株式会社三宅デザイン事務所に入社。
その後、2013年にISSEY MIYAKE MENのデザイナーに就任し、6年間チームを率いました。
2020年には「Clothing For Contemporary Life」の頭文字を取ったブランド「CFCL」を設立しています。
東京都は、東京をパリやミラノと並ぶ「ファッションの拠点」とすることを目指し、ファッション振興に取り組んでいます。
その一環として、“世界に羽ばたくファッションデザイナー”を発掘・育成するため、都内在住または在学の学生を対象に本コンクールが開催されています。
今回のワークショップは、3月29日に行われる最終審査に向けて、二次審査通過者を対象に実施されました。
参加学生には事前課題として、洋服・靴・小物を含めた「一式のデザイン案」を考える課題が出されており、ワークショップ内では1人1分でプレゼンテーションを実施。
その後、高橋さんから一人ひとりにフィードバックが行われました。
主なポイントとして挙げられたのは以下の3点です。
・自分のデザインの意図を「言語化」できるようにすること
・やりたいことは一つに絞り、「このブランドといえばこれ」と言える軸をつくること
・スタイルではなく「アイテム単位」でデザインを考えること
特に「言語化」の重要性は、ファッションに限らず、自分の考えや思いを伝えるうえで欠かせない要素だと、学生たちの発表を通して強く感じました。
今回のテーマが「商品化体験」ということもあり、「デザイナーとしてアイテム構成スキルを身につけること」が重要なポイントとして強調されていました。
課題では、小物やアウターを組み合わせて「3スタイル」を構成。
これは「統一感」と「発展性」を評価するために設定されたものです。
実際に多くのブランドでは、限られたアイテム数で多様なスタイリングを展開しています。
例えば、10アイテムで20通りのコーディネートを生み出すといったイメージです。
高橋さんは、「同じアイテムでも組み合わせによって異なる印象を生み出すことは、デザイナーにとって重要でありながら難しい」と話していました。
また、消費者の視点では、同一ブランドで揃えることで統一感のあるコーディネートが完成しやすくなります。
一方でブランド側にとっても、複数アイテムの購入につながるというメリットがあります。
こうした両者の視点からも、「少ないアイテムで多くのスタイルを生み出す力」は非常に重要であることが分かります。
さらに、ブランドとしての個性を打ち出しつつも、ビジュアルの統一や不要な要素を削ぎ落とすことの重要性についても言及がありました。
学生たちはフィードバックを受け、その場で改善点や新たなアイデアを提案しており、その柔軟さと熱量に驚かされました。
今回の参加者の多くは、すでにブランドを立ち上げている、または立ち上げを目指している学生たち。
目の前のチャンスに全力で向き合う姿から、私自身も大きな刺激を受けました。
いよいよ3月29日、最終審査が行われます。
どのような作品が披露されるのか、今からとても楽しみです。
当日は、会場および配信でファッションショーを観覧することができます。
ぜひ、未来のデザイナーたちの挑戦に注目してみてください。
取材 RanRun学生スタッフ 倉谷 碧衣(昭和女子大学3年)
2次審査通過作品




(写真提供:東京都産業労働局)
「NFDT/SFDA」最終審査会(ファッションショー)/表彰式 開催概要
日時:2026年3月29日(日)15:00~17:30 ※14:30開場(予定) ※途中入場・退席可
会場:虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウム
(港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B2)
オンライン視聴:YouTubeライブ配信 【URL】 https://youtube.com/live/ICiFhEKA7Ac
日比野克彦氏(東京藝術大学長)をはじめ、パリコレデザイナーの森永邦彦氏 (ANREALAGE)、アーティストの篠原ともえ氏ら、豪華審査員が参加します。
詳細は東京都庁HPにてご確認ください https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/02/2026022404
