異常気象や農業の担い手不足、資源・エネルギー問題、国際情勢の不安定化など、世界の食料供給を取り巻く課題が深刻化しています。
こうした課題の解決に向けて期待されているのが、人工光や環境制御技術を活用し、天候や場所に左右されにくい生産を可能にする「植物工場」です。
植物工場の最新技術と社会実装の可能性を議論する「第3回JPFA植物工場国際シンポジウム」が2026年8月31日(月)と9月1日(火)の2日間、千葉県柏市の柏の葉カンファレンスセンターで開催されます。
食料・環境・エネルギー問題に向き合う植物工場
植物工場は、光や温度、湿度、二酸化炭素濃度、養液などを制御された環境で植物を育てる生産システムです。
天候の影響を受けにくく、限られた土地や資源を効率的に活用できることから、食料の安定供給だけでなく、地球温暖化への対応や農業の労働力不足、資源循環といった複数の社会課題に貢献する技術として注目されています。
その技術領域は、植物生理や植物環境工学にとどまりません。
照明、空調、AI、ロボティクス、環境制御、次世代養液栽培、植物の形質や生育状態を解析するフェノタイピング、データ解析など、多様な分野が関わっています。
日本には、10年以上にわたって商業生産を続ける大規模な植物工場が複数あり、研究・技術開発から施設運営、産業化までを積み重ねてきました。
その知見には海外からも高い関心が寄せられています。

植物工場の役割は医療・都市・宇宙へ
今回のシンポジウムでは、植物工場の現在地や技術革新、大規模生産、AI・自動化・ロボティクス、エネルギー・資源利用効率、環境負荷、食料安全保障などを取り上げます。
さらに、医薬品原料や機能性物質を生産するバイオ生産プラットフォームとしての活用、都市型農業、健康・医療との連携、宇宙農業など、従来の食料生産を超えた植物工場の可能性についても議論されます。
植物工場を核として、食料、健康、都市、宇宙を結び付ける新しいエコシステムをどのように構築していくのか。
農学や工学だけでなく、医学や社会人文科学なども交えた分野横断的な視点が、本シンポジウムの特徴です。
国内外の研究者・事業者が柏の葉に集結

講演者には、Oishii Farm共同創業者兼CEOの古賀大貴氏、ワーゲニンゲン大学教授のLeo Marcelis氏、国立がん研究センター理事・先端医療開発センター長の土原一哉氏、国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長の日比絵里子氏ら、国内外で活躍する研究者や事業者が名を連ねます。
ドイツ航空宇宙センターのEDEN LUNAプロジェクトマネジャー、Claudia Philpot氏も登壇し、地上だけではなく宇宙を視野に入れた植物生産について知る機会となります。
2025年に開催された第2回シンポジウムには、国内外約20カ国から約250人が参加し、その約半数を海外からの参加者が占めました。
今回も、植物工場を中心に多様な分野の研究者、事業者、行政関係者らが集まる予定です。
産官学民が交わる柏の葉から未来を考える
会場となる柏の葉スマートシティでは、公・民・学の連携による新しい都市づくりが進められています。
「住むだけで健康になる街」を目指す柏の葉で、植物工場を起点に食料や健康、医療、都市、宇宙の未来について議論することにも、大きな意味がありそうです。
本シンポジウムは、特定非営利活動法人植物工場研究会が主催。
千葉大学大学院園芸学研究院附属宇宙園芸研究センターと千葉大学環境健康フィールド科学センターが協力し、農林水産省、外務省、千葉県、柏市が後援します。
学術研究と産業をつなぎ、分野や国境を越えて植物工場の社会実装を考える2日間。
持続可能な食料生産の先に、どのような社会が拓かれていくのか。
柏の葉から発信される議論が注目されます。
主な講演者および講演タイトル
古賀 大貴 Oishii Farm 共同創業者兼CEO
Leo Marcelis ワーゲニンゲン大学教授/園芸・植物生理学研究グループ長
土原 一哉 国立がん研究センター理事/先端医療開発センター長
林 絵理 植物工場研究会 理事長
日比 絵里子 国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所 所長
Tisha Livingston Infinite Acres CEO
彦坂 晶子 千葉大学大学院園芸学研究院 教授
Roel Janssen eternal.ag 最高事業開発責任者
Claudia Philpot ドイツ航空宇宙センター(DLR)EDEN LUNA プロジェクトマネジャー
Giuseppina Pennisi ボローニャ大学
Murat Kacira アリゾナ大学 教授
福澤 徳穂 産業技術総合研究所 主任研究員
Mexx Holweg Dutch Lightning Innovations テクニカルソリューションマネジャー
開催概要
名称:第3回JPFA植物工場国際シンポジウム
英語名称:The Third JPFA International Symposium on Plant Factory(ISPF2026)
日程:2026年8月31日(月)~9月1日(火)
会場:柏の葉カンファレンスセンター
アクセス:つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」から徒歩2分
主催:特定非営利活動法人植物工場研究会
内容:講演、パネルディスカッション、ポスター発表、企業展示など
使用言語:英語・日本語(AI自動翻訳による同時翻訳字幕あり)
参加費:JPFA会員 2万5,000円 非会員 6万円
交流会 8,500円
申込期限:2026年8月25日(火)13時
※会場の受け入れ人数には上限があります。
参加者は、9月2日(水)に開催される千葉大学柏の葉キャンパス植物工場施設見学に無料で参加できます。
公式サイト:
日本語 https://npoplantfactory.org/ispf2026/
英語 https://npoplantfactory.org/ispf2026-en/
情報提供:特定非営利活動法人植物工場研究会
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