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4月9日は子宮の日 生理に関する悩み相談

ヘルスケア 2022/04/09

「生理について相談したいことはありませんか?」
スポーツ女子から生理に関する相談ごとを募集しました。
同じ悩みを抱えている女子は多いかもしれません。
大塚製薬「女性の健康」プレスセミナー2022を通し、産婦人科医の尾西芳子先生が皆さんの相談にお答えくださいました。参考にしてくださいね。

 

 

■生理1週間前ぐらいに運動すると、お腹が痛くなることってありますか?

 

まず考えられるのが、右側が痛くなるのは、肝臓と横隔膜の間が引っ張られて緊張することだと言われています。
上下の動きが激しいと、より痛くなりやすいと言われています。
左側が痛くなる人もいるのですが、同じく脾臓という臓器が上下の動きで引っ張られて痛くなるという説もあります。
他には、おなかの中の腸の空気が、腸の左の上のところに溜まり、ここで痛くなるということも言われています。
これらは生理と関係なく、走ると上下の動きで痛くなるということになります。
もし生理1週間ぐらい前に痛くなるのだとすれば、腸の動きは生理前は悪くなるため、便秘になったり、ガスが溜まりやすくなったり、お腹が張りやすくなったりします。
そういった時に運動をすると、その空気が左結腸曲に溜まり、痛くなることがあります。

対策としては、便通をよくしてあげると少し改善が見られるかもしれません。
また、痛くなった際はすぐ横になり、お腹をマッサージしてあげてください。
脇腹を伸ばすと、空気が逃げて痛みが軽減されると言われているので、試してみていただければと思います。
おならが出て治れば多分それです。

 

■生理前にイライラしてしまい、周りにあたってしまうのですが、どうしたら改善されるでしょう。か。

生理前にイライラしてしまうというのはPMS(月経前症候群)の症状のひとつです。
まず、生活習慣の改善です。例えば、軽いジョギング(有酸素運動)も良いでしょう。
食べ物も、血糖値を急激に上下させると、イライラがひどくなってしまうので、食べるものを低GIのものに変えてみたり、食事は抜かず、1日3回きちんと食べるということも大事です。
あとは、イライラを抑えてくれる脳内物質であるセロトニン、GABAは、たんぱく質をもとにつくられているので、たんぱく質をしっかりと補うことも大事です。
それでもダメであれば、病院(婦人科)に行きましょう。
気持ちを落ち着ける漢方薬や、低用量ピルで治療するということもあります。

 

■生理が近くなると、気分の浮き沈みが激しくなります。

おそらくPMSの症状なのかなと思います。
生理が始まって4日目以内に改善するようであれば、やはりPMSの症状思われますので、前述の対処法を参考にしてみてください。

 

■生理1、2日目にパフォーマンスが下がってしまいます。対処方法はありますか。

何でパフォーマンスが下がるのかという理由によって、対処法が違ってきます。
すごく経血の量が多いことが理由であれば、量を少なくするという意味ではピル、あとは子宮の中に入れるミレーナというお薬があります。
それで生理の量を少なくする、コントロールすることで、パフォーマンスの低下を防ぐことになると思います。

痛みが原因であれば、痛みを取る治療です。
例えば、早めに鎮痛剤を飲む。
あとは痛み止めの代わりになる漢方薬。
生理痛が原因であればピル。
ピルの中には痛み、生理痛を軽減するものもあります。

他には、出血をする事で一時的に貧血になってしまい、息切れや動悸が出るという方もいらっしゃいます。
そういった場合は、なるべく水分をしっかり摂ることも大切です。
まずはしっかり食事を摂ること。
特に赤身のお肉、赤身の魚といったものは、植物性のものに比べて鉄分の吸収率が良いと言われています。
動物性の鉄分をしっかりと摂りましょう。

 

■息切れが激しいです。動くのがしんどいです。対処方法はありますか。

一番心配なのは貧血です。
貧血の症状で、息切れ、動悸というのがあります。
朝起きるのが辛い、少し動いただけで動悸がするというのがあれば、貧血が疑われます。
その場合は、採血して調べていただくのも大事になりますし、あとはしっかり鉄分のあるものを補ってあげます。
鉄分を補うだけで、足りない場合はしっかりと鉄分のサプリメントや、薬の鉄剤を飲みましょう。
特にマラソンを走る方は、貧血があるのに運動をしていると心臓にとても負担がかかってしまいます。
将来、心不全になってしまうというリスクもあるので、貧血でないかを調べて、必要があれば治療をしていただきたいなと思います。

 

■低用量ピルを飲んで困難症をやわらげていますが、長年飲むことは将来的に妊娠に影響しますか。

月経困難症でお困りで、ピルを飲んでいらっしゃるという方は増えていると思いますけれども、将来的に妊娠に影響することはありません。
月経困難症がひどい方というのは、子宮内膜症という病気が潜んでいる可能性が多いと言われています。
子宮内膜症は放っておくと、将来不妊の原因になってしまうことがあります。
ピルを飲むことで、その病気の進行を止めることができるので、飲んでいた方が、将来妊娠不妊になるリスクは少ないと思います。

 

■生理を止めたいです。方法はありますか。

最近、生理を1月に1回起こさなくてもいいのではないかという考えが産婦人科医の中でもあります。お薬(ピル)を飲んでいれば、生理が毎月来る必要はないということになります。
生理を止める方法としては、ピルを使用して生理を止める方法があります。
例えば一時的に今回だけ生理を一ヶ月ずらしたりとか、1週間ずらしたりとかということも可能ですし、長期的に生理を3ヶ月に1回に、つまり年に生理を4回だけにしたり、年3回にしたりという方法も、今はピルですることが可能です。
ぜひ婦人科で相談していただければと思います。

 

 

尾西 芳子(おにしよしこ)先生

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部編入学、卒業後、慈恵医大病院で初期研修、
その後、日赤医療センター、済生会中津病院、育良クリニックなどを経てパークサイド広尾レディースクリニック、高輪台レディースクリニックなど都内クリニック院長を歴任。
現在は2人の子供を育てながら都内クリニックにて勤務。
すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで診察を行う。
わかりやすい解説で雑誌、テレビのコメンテーター、ドラマの医療監修なども行なっている。

 

大塚製薬女性の健康推進プロジェクト

 

 

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