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専門家に聞きました赤羽セミナー②ー理想の人生を手に入れるための資金づくりー

ライフデザインを考える時、何歳くらいまでを想定して考えていますか?
「お金」は生きていくために必要なアイテムです。
RanRun編集部が学生に行ったアンケートでは、老後の生活を心配する声がみられました。
「ゆとりある生活」「安定した生活」がどのような生活を表すのかは、人それぞれの考え方によって異なります。
しかし、自分が理想とする将来の生活を手にするために、お金は「どれくらい」必要なのかを知っておくことは大切です。
暮らしや身の回りの悩みごとを地元の専門家に相談して解決することを目的とした「赤羽セミナー」(主催:赤羽セミナー実行委員会)が2022年9月10日、赤羽会館(東京都北区)で開催されました。
「ここで差がつく教育資金」をテーマに登壇された城北信用金庫 ソリューション事業部の吉川一弘氏に、ファイナンシャルプランナーとしてこれから社会に出る学生にアドバイスをいただきました。

老後に必要なお金は自分で決める
若い世代の中には、年金をどのくらい受け取ることができるのか不安を感じている人が少なくありません。
いったいどのくらい老後の資金を考えればよいのでしょう。

「結論から言うと、金額は人それぞれです」と吉川氏。
老後に過ごしたい生活スタイルは人それぞれ違うので、自分の老後資金の金額は自分で決めなければならないのです。
もしあなたの考える「ゆとりある生活」が、ある一定のお金も必要と考えるのであれば、自分のライフプランの中で、将来予想される収支を算出し、その中で「〇年後に、このくらいの貯金があれば自分の思い描くゆとりある生活ができる」という金額を出して、その年齢でその金額を準備できるように計画的に貯蓄していきます。

厚生労働省が2022年7月に発表した令和3年度における国民の平均寿命https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-02.pdfは、男 81.47歳、女87.57歳となっています。
例えば、60歳で退職し、その後は貯蓄と年金で生活するとして90歳までの生活資金を考えてみます。
自分がどのようなシニアライフを送りたいかを想像し、どのくらいの支出が考えられるか算出してみます。
想定される収入額からその支出額を引いてみて、毎月の差額を割り出します。
差額が50,000円だった場合、50,000円×12カ月で毎年600,000円の用意が必要になります。それを90歳まで25年間に換算すると、15,000,000円の貯蓄をしなければならないことがわかります。

老後の資金づくりも大切ですが、社会に出てからのライフイベントにかかる資金づくりを忘れてはいけません。
旅行好きな方なら、国内旅行、海外旅行などのプランもライフイベントに含めて考えます。
結婚や出産を考えるのであれば、子育てにかかる教育資金も必要になってきます。
マイホームの購入も検討課題に入ってくるでしょう。
ライフプランを立てながら、「いついくら必要か」を考え、早い時期から貯蓄プランを立てることがよさそうです。
「貯蓄する期間が長ければ毎月貯蓄に回す金額も少なくてすみますし、運用の効果も上がってくると思われますので、なるべく早くから取り組むことが好ましいでしょう」と吉川氏に教えていただきました。

貯蓄の豆知識
「預貯金」と株式や債券などの「投資」には、それぞれメリット・デメリットがあります。その点を踏まえたうえで、金融機関に預ける商品を選定することが大事になります。
セミナーの中で、吉川氏は「必要なおカネを準備する」方法について解説されていました。
目の前に100万円の札束があったとして、その100万円が持つ性格は人によって違います。
そのお金の使う目的(性格)に合った商品を選ぶことが大切です。

例えば、
・日常の生活費や病気・ケガなど、いざという時に使うお金⇒普通預金・通常貯金・MRF(マネー・リザーブ・ファンド)などの「流動性の高い商品」
・結婚・出産・マイホームなど少し先に使うお金⇒普通預金・定期預金・定額貯金・個人向け国債などの「安全性の高い商品」
・当面は使う予定のないお金。余裕のあるお金⇒投資信託、株式、外貨預金などの収益性の高い(リスクも大きい)商品に預けてみるのもいい

投資には安心して行えるタイプと、ハラハラドキドキするタイプがあります。
同じ貯蓄をするのでも、「このお金は何に使うお金か」目的に合わせて預ける商品を選ぶことが大切だと感じました。
そして投資商品に預ける時には、NISAやiDeCoなどを使うことで、おトクに運用することができます。
どんな投資もしっかり内容を理解する必要があります。
お金の勉強をすることは自分の生活をより良いものに導いてくれると感じました。

お話を聞いていて、FPの勉強に興味を持ちました。
資格を取る取らないは別として、学生のうちからFPの勉強をしておくことは、将来のライフデザインに役に立ちそうです。

<講師プロフィール>
吉川 一弘(よしかわ かずひろ)
城北信用金庫 ソリューション事業部
ファイナンシャルプランナー、CFP®認定者(日本FP協会会員)

取材 RanRun学生スタッフ MIKA