• 火. 7月 23rd, 2024

 6月は環境月間!旭硝子財団が2024年ブループラネット賞(地球環境国際賞)受賞者発表

公益財団法人 旭硝子財団(理事長 島村琢哉)が2024年6月19日、今年で33回目を迎えるブループラネット賞(地球環境国際賞)の2024年の受賞者を発表。ロバート・コスタンザ教授(米国・オーストラリア)と生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム (IPBESイプベス)に決定しました。

本賞は、地球環境の修復を願い地球サミットが開催された1992年(平成4年)に設立され、地球環境問題の解決に関して社会科学、自然科学/技術、応用の面で著しい貢献をした個人、または組織に対し、その業績を称える国際的な賞です。

ロバート・コスタンザ教授(米国・オーストラリア) 1950年9月14日 米国生まれ
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、グローバル・プロスペリティ研究所

コスタンザ教授は、1997 年の論文で、自然環境が人間に提供する生態系サービス※1
の経済的価値が、当時の世界の GDP 総額を上回っていることを初めて実証し、それまで過小評価されていた生態系サービスの重要性を世界に示しました。
経済は社会と有限な生物圏に組み込まれていると考える「生態経済学」という新しい学術分野の共同創設者でもあり、生態系が持続可能である幸福な社会の実現を積極的
に提唱しています。
※1 自然の生態系が人間にもたらす恩恵のこと。例:水供給、気候の調節、景観、受粉など

<受賞コメント>
2024年ブループラネット賞の受賞者として選ばれたことは、誠に光栄であり、身の引き締まる思いです。旭硝子財団は、私の知る研究者を含め、より良い世界を創るという共通の目標を持つ多くの卓越した個人や団体の活動を支援されてきました。
今回、このような方々の仲間入りができることを大変喜ばしく思います。
私の研究は、地球を統合された複雑なシステムとして捉えることに重点を置いています。
経済は社会や自然の中に組み込まれており、この統合的な視点なしには、システムを理解したり効果的に管理したりすることができません。
それが、私が創設に携わった生態経済学という学際分野の本質です。
特に、私は自然資本とそれが提供する生態系サービスの理解、モデル化、価値評価に取り組んできました。
その結果、自然資本や生態系サービスによる人間の持続可能な幸福への寄与は、GDPで表す市場で取引される財・サービスの貢献をはるかに上回っていることを示しました。
また、人間と自然の統合的な幸福を理解、評価し、そして、持続可能な幸福をもたらし、そこに至るために必要な変革を促すことができるような共通な世界観を作り出すことにも取り組んできました。
ブループラネット賞を受賞することで、より良く、より公平で、豊かで持続可能な未来を目指す世界中
の人々と協力し、引き続き研究を進める所存です。

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム (IPBESイプベス)
設立:2012 年 4 月 21 日(事務局:ドイツ)

IPBESは、生物多様性、生態系サービス、そして自然が人間にもたらすものについての知見と科学における最先端の国際機関です。
IPBESの画期的な報告書は、様々な規模、分野、知識体系において科学に基づいた政策や行動の基盤となっています。
企業による環境への影響の評価、開示、改善も始まっており、IPBESの評価報告書は、企業のサステナビリティ戦略やESG(環境、社会、ガバナンス)活動の構築に役立てられています。

<受賞コメント>
2024年ブループラネット賞をIPBESがいただくことになり、誠に光栄に存じます。
この権威ある賞の栄誉は、専門知識、時間、そして熱意を惜しみなく私たちの活動に注いでくださった世界中の何千人もの科学者や知識保持者のものです。
また、揺るぎないご支援をいただいている146の加盟国と、IPBESの使命を遂行する上で不可欠な幅広い関係機関の皆さまにも深く感謝申し上げます。
今回の受賞は、より良い科学、エビデンス、そして行動の選択肢を通じて、生物多様性と自然が人間にもたらす恩恵の保全と回復の重要性が世界的に認められたことを意味します。
旭硝子財団がこの栄誉を与えてくださり、また私たちの取り組みを支援してくださることに深く感謝いたします。
この栄誉を励みとして、これからも人と自然のための科学と政策の強化に努めてまいります。

受賞業績1件に対して、賞状、トロフィーおよび賞金50万米ドルが贈られる。
表彰式典が10月23日(水)に東京會舘(東京都千代田区)、受賞者による記念講演会が10月24日(木)に東京大学、10月26日(土)に京都大学で開催を予定。

ブループラネット賞とは
人類が解決を必要としているグローバルな諸問題の中で、最も重要な課題の一つが地球環境の保全です。地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、河川・海洋汚染などの地球環境の悪化は、いずれも私達人間の生活や経済活動が大自然に影響を及ぼした結果です。
旭硝子財団は、地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年(平成4年)に、地球環境問題の解決に向けて著しい貢献をした個人または組織に対して、その業績を称える地球環境国際賞として「ブループラネット賞」を創設しました。
賞の名称の「ブループラネット」は人類として初めて宇宙から地球を眺めた宇宙飛行士ガガーリン氏の
言葉「地球は青かった」にちなんで名付けられました。
この青い地球が未来にわたり、人類の共有財産として存在しつづけるようにとの祈りがこめられています。

<選考経過>
国内503名、海外847名のノミネーターに推薦書を送り、142件の受賞候補者が推薦されました。
候補者の分野は、多い順に生態系39件、環境経済・政策が25件、気象・地球科学22件など。
候補者は39ヶ国にわたります。
選考委員会による数次の審査をもとに顕彰委員会に諮った後、理事会で、1件はロバート・コスタンザ
教授が、もう1件は生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム (IPBES)が受賞者として正式に決定されました。
選考委員長からは、「本年の受賞者は2件とも生態系関連の業績ですが、これは偶然の結果で、気候変動問題と同様に、生態系問題への危機意識が世界的に高まっていることの反映ととらえています」とのコメントがありました。

<歴代受賞者>
1992  真鍋淑郎(米国) 国際環境開発研究所-IIED(英国)
1993  チャールズ・D・キーリング(米国) 国際自然保護連合-IUCN(本部;スイス)
1994  オイゲン・サイボルト(ドイツ) レスター・R・ブラウン(米国)
1995  バート・ボリン(スウェーデン) モーリス・F・ストロング(カナダ)
1996  ウォーレス・S・ブロッカー(米国)M.S.ス ワミナサン研究財団(インド)
1997  ジェームス・E・ラブロック(英国) コンサベーション・インターナショナル(米国)
1998  ミファイル・Ⅰ・ブディコ(ロシア) デイビッド・R・ブラウワー(米国)
1999  ポール・R・エーリック(米国) 曲格平(チュ・グェピン)(中国)
2000  ティオ・コルボーン(米国) カールヘンリク・ロベール(スウェーデン)
2001  ロバート・メイ(オーストラリア) ノーマン・マイアーズ(英国)
2002  ハロルド・A・ムーニー(米国) J・ガスターヴ・スペス(米国)
2003  ジーン・E・ライケンス(米国)およびF・ハーバート・ボーマン(米国) ヴォー・クイー(ベトナム)
2004  スーザン・ソロモン(米国) グロ・ハルレム・ブルントラント(ノルウェー)
2005  ニコラス・シャックルトン(英国) ゴードン・ヒサシ・サトウ(米国)
2006  宮脇昭(日本) エミル・サリム(インドネシア)
2007 ジョセフ・L・サックス(米国) エイモリ・B・ロビンス(米国)
2008  クロード・ロリウス(フランス)・ジョゼ・ゴールデンベルク(ブラジル)
2009  宇沢 弘文(日本)・ニコラス・スターン(英国)
2010  ジェームス・ハンセン(米国)・ロバート・ワトソン(英国)
2011  ジェーン・ルブチェンコ(米国) ベアフット・カレッジ(インド)
2012  ウィリアム・E・リース(カナダ)およびマティス・ワケナゲル(スイス) トーマス・E・ラブジョイ(米国)
2013  松野太郎(日本)ダニエル・スパーリング(米国)
2014  ハーマン・デイリー(米国) ダニエル・H・ジャンゼン(米国)およびコスタリカ生物多様性研究所(コスタリカ)
2015  パーサ・ダスグプタ(英国) ジェフリー・D・サックス(米国)
2016  パバン・シュクデフ(インド) マルクス・ボルナー(スイス)
2017  ハンス・J・シェルンフーバー(ドイツ) グレッチェン ・C・デイリー(米国)
2018  ブライアン・ウォーカー(オーストラリア) マリン・ファルケンマーク(スウェーデン)
2019  エリック・ランバン(ベルギー)ジャレド・ダイアモンド(米国)
2020  デイビッド・ティルマン(米国) サイモン・スチュアート(英国)
2021  ヴィーラバドラン・ラマナサン(米国) モハン・ムナシンゲ(スリランカ)
2022  ジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代ブータン王国国王 スティーブン・カーペンター(米国)
2023  リチャード・トンプソン、タマラ・ギャロウェイ、およびペネロープ・リンデキュー(英国)
デバラティ・グハ=サピール(ベルギー)