• 土. 10月 12th, 2024

赤羽くらしのQ&AとWebマガジンRanRunのコラボ企画で取り上げたテーマは、「結婚」。
結婚という制度の観点から、学生スタッフが専門家に話を聞きました。
結婚によって何がどう変わるのでしょう。
ライフデザインへの影響は?

婚姻届を出すと、新しい戸籍が作られる
日本人は、生まれた時に「出生届」が提出され、親の戸籍に入り、日本国民として登録されます。
婚姻届を提出すると、親の戸籍から抜けて、夫婦の新しい戸籍が作られます。
この時に、夫婦どちらかの姓を選択しなければなりません。
選択した姓の方が戸籍の筆頭者となり、相方はその横に名前が載ります。
籍を入れるという表現をしますが、実際は新しい戸籍を作ることになります。

<婚姻届の提出方法>
戸籍の届け出は24時間受け付けています。
ただし、受け付けであって受理ではありません。
夫婦どちらかの婚姻前の本籍地または所在地の区市役所・町村役場に提出します。
必要事項に記載をして、証人(成年2名)に署名をしてもらい、可能であれば本人確認書類を持って、役所に行きます。
本籍地をどこにするか、表示可能な本籍のうち任意の本籍を指定することができるので、二人で話し合っておくとよいですね。

日本の戸籍を持たない海外の方との結婚は?
新しく作られた日本人の戸籍に外国籍の方は婚姻したことがわかるように表記されます。
これは入籍とはならないそうです。

結婚式を挙げても入籍はしない結婚のスタイル「夫婦別姓」
今の日本の法律では、どちらかの姓を選択することになっているため、選択的夫婦別氏制度は正式には認められていません。
婚姻届を提出しないので、新しい戸籍は作られず、親の戸籍に入ったままになるわけですね。

戸籍に入らないことの制度的なデメリットはあるのでしょうか。
働き方によりますが、収入によっては入籍していれば相手の扶養に入って受けられる年金や社会保険の制度を受けられないということがあります。

司法書士の先生によると、亡くなった時の相続の問題が大きいそうです。
戸籍に入っていないと相続人にはならないため、一緒に築いた財産を受け取れず、全く疎遠になっていた家族が相続人になってしまうなどのトラブルがあるそうです。

司法書士法人赤羽法律事務所 春日順子先生(右)・松尾昭史先生(左)

仕事などでは旧姓使用を!
現行法ではどちらかの姓を名乗ることになりますが、仕事などで名前を変えずに使いたい場合は、職場で旧姓使用の届出をして働いている方が増えています。

離婚すると戸籍はどうなる⁈
離婚の場合は、夫婦の戸籍から出て、親の戸籍に戻ることも、自分で新しい戸籍を作ることもできるそうです。
その際、自動的に元の姓に戻りますが、婚姻時の姓をそのまま使いたい時には、60日以内に届出をすることで使うことができます。

戸籍謄本は、いつ、どこの誰の世帯で生まれたかから始まり、その人の人生の記録になるものです。
制度という観点から調べると、結婚は自分たちの戸籍が作られると同時に、親の戸籍から除籍され、親の戸籍にも記述が残ります。
婚姻届を提出して籍を入れることと、働き方の関係も見えてきました。
「どう生きていきたいか」ライフデザインを考えるうえで、知っておきたい制度があります。

大学であれば、専門の先生に話を聞くこともできるでしょう。
また「赤羽くらしのセミナー」のように、社労士や司法書士などの専門家に話を聞く機会も活用したいですね。

取材協力
司法書士法人赤羽法律事務所 春日順子先生・松尾昭史先生
社会保険労務士法人らいふ社労士事務所 福島継志先生
北区役所北区区民部戸籍住民課

取材 学生スタッフ REAMO・ 文 RanRun編集部 YUKIYANAGI