紛争下の子ども・学生・先生たちを守るために、日本はまだ動けていない?
世界で起きている紛争について、私たちはどのくらい知っているでしょうか。
学校を軍事標的としないために、教育を守る国際的な枠組み「学校保護宣言」が2015年に策定されてから今年で10年。
すでに121か国が賛同していますが、日本はいまだ賛同していません。
先進7か国(G7)の中で、賛同していないのは日本だけです。
「若い世代にできることは?」――ユースも参加するイベント開催
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレンを中心とする「学校保護宣言キャンペーン事務局」が主催する対談イベントが2025年8月27日、セーブ・ザ・チルドレン事務所とオンラインで開催されました。
登壇したのは、国内外で人権に関わる支援活動に尽力してらっしゃる俳優のサヘル・ローズさん、国連広報センター所長の根本かおるさん。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの堀江由美子さんの進行で、お二人が支援活動をする中で見てきた紛争下で暮らす子どもたち、若者たちの現状を話しました。

子どもたちは『大人になったら』ではなく『大人になれたら』と夢を語るとサヘルさん。
教育を奪われることは、その国の未来を奪うことにつながると、根本さんは語ります。
教育が失われる現実
・学校への攻撃
・生徒や教職員への攻撃
・学校施設の軍事利用
・通学路での徴用・誘拐や性暴力
・高等教育への攻撃
実際、紛争下では約1万人の子どもや先生が殺害や負傷の被害を受け、2億3400万人の子どもや若者が教育を受けられない状況にあります。
世界の子どもの5人に1人が紛争下で暮らしているのです。
学校は学びの場であるだけでなく、子どもにとって安心できる居場所。
紛争下ではなおさら、心のより所になっています。

日本が賛同していない理由と課題
日本政府は「宣言の目的自体は評価している」としつつも、ガイドラインの一部が既存の国際人道法を超えると解釈し、賛同を見送っています。
一方、キャンペーン事務局は「超えるのではなく、実行を強化するもの」と訴えています。
ガイドラインの内容
- 軍事利用の目的で、開講中の学校を使用することの禁止
- 民間人が退去した後の学校の使用は最終手段の場合のみ
- 武装紛争下における学校の意図的破壊の禁止
- 軍事目的で利用されている学校への攻撃の際の代替手段の検討義務
- 戦闘部隊による学校警備の原則禁止
- 国内政策や関連マニュアルなどに反映するなどガイドラインの実施
日本は平和主義を掲げ、人間安全保障、人権民主主義を重視する国であるのだから、学校保護宣言に賛同して欲しい。
キャンペーンに参加する大学生・大学院生のユースメンバーも登壇し、「若い世代にできること」をテーマに意見を交わしました。

私たちにできること
まず「知る」こと。
そして知ったことを「誰かに伝える」こと。
関心を持ち続け、行動につなげていくことが未来を変える一歩になるはずです。
学校保護宣言は法的拘束力のある条約ではなく、各国が自主的に取り組む指針です。
だからこそ、ひとり一人の声や署名が政府を動かす力につながります。
――さて、あなたはどう考えますか?

取材 RanRun編集部 やなぎゆき
