• 土. 7月 27th, 2024

ツライ生理前のイライラ、不安、頭痛、過食などの悩み

「イライラが抑えられない!」「不安で眠れなくなる」「食欲が止まらない」
スポーツ女子へのアンケートには、生理になる前の症状についての悩みも多くみられました。
これらはPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれる症状です。
日本体育協会公認スポーツドクターで、埼玉医科大学産科婦人科講師の難波聡(なんばあきら)先生にお話を伺いました。

【月経随伴症状】
生理にともなって表れる精神的や身体的な症状のことを月経随伴症状といいます。
生理が始まる前から症状が出て、生理が始まると減退するPMSとPMDD、生理中におこる月経困難症があります。
前回ご紹介した生理痛、過多月経などもこれに含まれます。

【PMS(月経前症候群)】
生理が始まる3~10日くらい前から始まる、精神的や身体的な症状のことです。
ホルモンの変動によりバランスが崩れることが原因とされています。
生理が始まるとだんだんと減退していきます。
乳房の張りや痛み、腰の張りや痛み、頭痛、手足のむくみ、イライラ、不安などが代表的な症状です。

【PMDD(月経前不快気分障害)】
生理が始まる3~10日くらい前から始まる精神的な症状で、PMSよりも強い症状として現れ、日常生活に支障をきたすものをいいます。
絶望感、不安、怒りっぽい、無気力、食欲が止まらない、眠い、だるい、不眠などが代表的な症状です。

【月経困難症】
生理中に起こる様々な病的症状のことをいいます。
生理痛、お腹の張り、下痢、吐き気、疲労感、だるさ、食欲がない、イライラなど症状は様々です。

【対処法】
色々な処方がありますので、それぞれの症状に合わせ、自分に合った対処法を探します。
そのために医師に相談することをお勧めします。
特にスポーツ女子は、生理による症状のためにパフォーマンスが下がることに抵抗を感じ、ナーバスになりがちです。
ホルモン療法、漢方薬、低用量ピルなど自分に合った薬を用いて、試合などでパフォーマンスに影響が出ないような対策を取ることを優先してはいかがでしょう。

【婦人科の主治医を持ちましょう】
学生のうちは、婦人科にかかることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、生理の悩みを抱え、我慢を続けることは決してよいことではありません。
また、スポーツで最高のパフォーマンスができるように体調をコントロールすることも、競技者として大事なことです。
先ずは、家の近くや大学の校医さんなど、身近な婦人科クリニックなどに相談するのもよいでしょう。月経コントロールを考えるのであれば、スポーツに理解のある医師を探すなども検討したいですね。自分に合った医師を探し、いつでも相談できる主治医を持つことが大切です。

<監修:難波 聡(なんばあきら)先生プロフィール>

平成 7年 3月 東京大学医学部医学科卒業
平成14年 3月 東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻修了
平成14年 4月~ 東京大学医学部附属病院
平成15年 7月~ 東京都教職員互助会三楽病院
平成17年 7月~ 埼玉医科大学病院
現在、日本陸上競技連盟医事委員会、日本オリンピック協会医学サポート部会員、臨床スポーツ医学会評議員、日本体育協会公認スポーツドクター、臨床遺伝専門医、埼玉医科大学陸上競技監督

2016年1月掲載記事リライト