就活も、いよいよ面接が始まりますね。
今回から3回に渡り、落ち着いて自分らしさを出せるように、「面接時に必要なビジネスマナー」を学びましょう。
今回は「面接会場に入る際のマナー」です。
★まずは、時間に遅れない事!
「そんなことは分かってる!」と声が聞こえてきそうです。
でも本当に、時間に遅れないように計画を立てていますか?
「電車が遅れた…」は「不可抗力だから許される」って思ってませんか?
確かに、学生時代はそうだったかもしれません。
でも、社会人になったら「電車が遅れたので遅刻した」では済まされない場面がたくさん出てきます。
例えば、大切なお客様へのプレゼンテーションがあったら、「電車が遅れたから…」は許されないでしょう。
私の経験からすると、ベテランと言われる方ほど、電車が遅れても遅刻することの無いように、かなり時間に余裕を持って訪問先の近くまで行き、喫茶店等で時間調整をされています。
恐らく、時間ギリギリに駆け込むことや、時間に遅れることが、その後のビジネスにどれだけマイナスになるか、良く分かっているからでしょう。
私も、絶対に遅刻できない仕事の時は、1時間前には訪問先の近くに行っているようにしています。
東京都内でしたら、何か電車が止まる等のアクシデントがあっても、1時間余裕を持っておけば、他のルートやタクシー、バス等を使い、なんとか間に合うと思うからです。
面接も同様です。まだ学生だから、人事の方は連絡さえすれば大目に見てくださるかもしれません。
でも、列車遅延があっても、工夫してきちんと約束の時間に来た学生と、いつも通りに家を出て遅れた学生では…当然、前者が好印象ですよね。
●なぜ企業は面接をするのか?
面と向かって評価されるのは、とても緊張するし、嫌なものですね。
企業にとっても、一人ひとり面接するのは手間がかかり大変なのですが、それでも必ず行うのは、面接で直接会って話をしないと分からないことがあるからです。
履歴書やエントリーシートの内容から、その人の能力はある程度判断できますが、例えば、コミュニケーション能力や人としての感じの良さは分かりません。
最近、医学部の受験で面接を重視する傾向がありますが、いくら筆記試験の結果が良くても、患者の気持ちが理解できず、良いコミュニケーションが取れない人は、医者に適していないという考えがあるからです。
企業における面接も、同じような意味があると思います。
●面接官は何を見ているのか?
大きく見ると、自社の考えるイメージや方向性に合っている人物かどうか…もう少し現場に近い目線で考えると、今必要としている人材であるかどうか。
また、会社での仕事というのは、多くはチームで行うものですから、仲間として一緒に気持ち良く働ける人物であるかどうか。
さらに、クライアントやお客様に対して、好印象を与え、信頼できると思っていただける人物であるかどうか、ということが重視されています。
そう考えると、面接で話す内容だけでなく、にこやかな表情や、落ち着いた態度、きちんとした言葉遣いや話し方、マナーや礼儀等の一般社会常識があること等が、非常に重要なことが分かりますね。
人は、見た目や声のトーンで、90%以上、相手の印象を決めてしまい、話す内容は10%以下だとも言われているんですよ。
●入室時の印象で、評価の大半が決まる事も
面接で質問されることへの回答については入念に準備しても、入室から面接が始まるまでの自分の態度がどのように見られているか、全くと言っていいほど気にしていないのではないでしょうか?
学生時代の自分を振り返っても、そうだと思います。
でも、実は面接が始まる前がとても大事です。そこで、面接官の第一印象が決ってしまうからです。
心理学では、人は最初の3秒から30秒で、相手の印象を決めてしまい、その印象はその後も影響し続けると言います。
つまり、入室してから面接が始まるまでの印象が良いと、話しを好意的に聞いてもらいやすくなり、最初の印象が悪いと、ずっと悪い印象が続きマイナスに受け取られやすくなってしまうということです。面接が始まる前に評価の大半を決めてしまうという面接官の話しを聞くこともあります。
皆さんも、初めての人と会う時、第一印象が影響すると感じますか?
では面接を受ける際、入室時にはどのようにしたらいいのでしょうか?
まずは動画を見て学んでください。
いかがでしたか?
入室する際、ドアが閉まっていれば、ノックをしてから開けます。
この時のノックは3回が良いとされています。
2回はトイレノックと言い、分けているようです。
でも私は、回数にそれほど重きを置いていません。
いきなりドアを開けたり、強く叩いたりするのではなく、軽くノックをして、中の様子を気遣いながらドアを開け、静かに閉めることが大切です。
入口で立ち止まり、面接官の方を見て、明るい声ではっきりと「失礼致します」と挨拶し、お辞儀をしましょう。
胸を張り、落ち着いた態度でイスの所まで進みます。
イスの横に立ちますが、そこで姿勢を正し、柔らかい表情で面接官の方を見て「よろしくお願い致します」と言い、次の指示を待ちましょう。
礼儀正しく、動きが美しく見えるポイントは、言葉と動きを分けることです。
「失礼致します」「よろしくお願い致します」等の言葉は、立ち止まって、姿勢を正して言いましょう。
この時、にこやかな表情で、面接官をしっかり見ることも忘れないで下さい。
●面接会場に入る前も、実は大事!
受付けの方や、面接の控室まで案内してくれた会社の方が、実は面接官から「学生の印象を教えてほしい」「何か気付いたことがあったら報告して…」と言われているケースは、とても多いです。
そして、そのような面接官以外の方が、印象が良いと感じた学生が受かることが、とても多いと聞いています。
ですから、会社の建物に入った時から緊張感を持っていることが大切です。
面接を受ける際のマナーが身に付いていれば、落ち着いて自分らしさが出せるのではないでしょうか?実際に動いて練習しておきましょうね。
動画出演協力
東京大学お笑いサークル「笑論法」
<講師紹介>
原 律子
フリーアナウンサー/日本女子大学文学部国文学科卒
学生時代は、山登りに熱中したスポーツ女子
テレビ、ラジオの局アナ、シンガポール日本語放送局DJを経て、
現在、企業研修講師、イベントMCなど
♪モチベーションを上げる曲は、ルイ・アームストロング/ What a wonderful world
(2016年4月掲載記事をリライトしています)