「半分の月がのぼる空」の作家・橋本紡原作「流れ星が消えないうちに」が映画化され、11月21日公開初日を迎えた。主演は、NHK朝ドラにヒロインとして出演中の波留。
女子大生の奈緒子がかつての恋人加地の死を乗り越えるまでを描いた作品。今の恋人巧は死んだ加地の親友、奈緒子を見守るだけの現状に悩んでいる。自分の人生に新たな出発を考える奈緒子の父が転がり込んでくる。さらに、妹までが上京してきて・・・
ゆったりとした作品の中で、それぞれの想いが衝突し、前に踏み出す過程を丁寧に描いた作品になっている。
公開初日を迎え、主要キャストが舞台挨拶に立った。
自分自身は嫌なことはすぐ忘れるタイプだと言う主演の波留・本山奈緒子役は、「奈緒子、頑張れ!と思ってもらえたら嬉しいです」と挨拶をした。
奈緒子を優しく見守る恋人・巧役の入江甚儀は、自分は他人が困っていると一緒に転げ落ちるタイプなので、巧とは共通するものがあると話し、「突き放す方が楽なので、演じていて大変だったが、いい役をやらせてもらえました」とコメントした。
奈緒子のかつての恋人・加地を演じた葉山奨之は、この役のために星の勉強をし、プラネタリウムにも通ったそうだ。この作品のキーでもあるプラネタリウムのシーンを撮影している時に、実際に流れ星がいくつも流れるのを観たというエピソードを語った。
奈緒子の妹・絵里を演じた黒島結菜は、他の登場人物がそれぞれの思いを胸にしまって悩むタイプなのに対し、自分は1人感情を表に出す役どころで苦労したが、絵里が感情を表に出すことで周りが動いていく大事な役であることを語った。
奈緒子の父を演じた小市慢太郎は、この作品は家族の物語であり、娘を愛すること、妻を愛すること、自分を愛することを意識して演じたと語った。
キャストのコメントを受けて柴山監督は、妹の絵里は母親に似ている、姉の奈緒子は父親に似ているという設定で、小市さんの落ち着いた感じから見守る父親の雰囲気が伝わればいいと思っていたと語った。柴山監督がこの作品で描きたかったのは、「過去の時間を大事に生きていたからこそ、前に出る瞬間ができた」こととし、ぜひ、劇場に足を運び体感して欲しいと挨拶を締めた。
この日、NHK朝ドラの撮影で大阪で頑張っている波留に対し、映画のキーともなるプラネタリウム「ホームスタークラシック」がプレゼントされた。
(2015年11月23日掲載記事リライト)