• 土. 4月 27th, 2024

就活のためのビジネスマナー「ハキハキとした話し方」

言葉は世に連れ変わっていくものですが…
長年日本に住んでいるアメリカ人の知人が、最近アメリカに帰ると、それをとても感じるそうです。
例えば「I’m good. 」という表現。
レストランで、お水やコーヒーのおかわり、その他「○○は必要ですか?」と聞かれ断りたい時に、「No thank you」ではなく、最近は、「I’m good.」というアメリカ人がとても多くなり驚いたと言っていました。

「いいえ、結構です」とはっきり言わず、「I’m good.」。
意味は「私はいいです。大丈夫です」といったニュアンスでしょうか。
日本でも、何か聞かれた際に、「はい」でも「いいえ」でもなく、「あっ、大丈夫です」と答える若者がとても多いですね。
意味は、やんわりと断っている…でいいのでしょうか?

英語でも日本語でも、はっきり言わず、何となく、やんわりと…といった断りの表現が多くの人に使われるようになっているのは、何か面白いと思いました。
ちなみに、話は逸れますが、ビジネスの場面では「大丈夫」は使わない方が良い表現とされています
理由はYesなのかNoなのかはっきりしないからです。
特に、上司等、目上の方には、このような若者言葉を嫌う方が多いです。
「大丈夫です」ではなく、「はい、お願いします」「はい、問題ございません」「いいえ、結構です」「いいえ、必要ありません」等と、状況に合わせた具体的な言い方をした方が良いでしょう。

マナー講座では3回に渡って、「普段から習慣化し、いざという時にも自然にできるようにしておきたいビジネスマナー」を取り上げます。
今回は「ハキハキとした話し方のポイント」です。
普段からハキハキと明瞭に話すことを意識していないと、面接の時だけはっきりと話そうとしても、余計硬くなって、口が回りませんね。
ポイントをお話ししますので、繰り返し練習しましょう。
同じ内容でも、ハキハキと話すことで、内容がずっと伝わりやすくなり、印象も良くなります

●話す時に口を動かすことを意識していますか?
特に最近気になるのは、口を動かさずに話す人が多いことです。
口を動かさないで話すと、モゴモゴとこもった音になり、言葉がはっきりせず、聞き取りにくい話し方になってしまいます。
何を言っているのか分からないのでは、いくら内容が良くても伝わりませんね。

もうひとつ気になるのは、口を横に開いたまま話す人。
ベタベタとした話し方になり、幼い印象を与えます。
企業からすると、「この人に大切なお客様への対応を任せられるだろうか?」と心配になってしまいます。
ですから、口をはっきりと動かして話すことが大事ですが、その時に「口の形」を意識してみてください。
例えば、「い」の口の形で「あ」の音を出してみてください。
違う音になってしまいますね。
つまり、はっきりと話すためには、正しい口の形を意識することが大切なのです。

日本語には、下に記載した「あいうえお」の5つの口の形があると思ってください。
「か」は「あ」の口の形、「き」は「い」の口の形、「く」は「う」の口の形と同じです。
以下も同様です。

では、動画を見て、どんな風にしたらいいのか確認しましょう。

いかがでしたか?

●発声練習シート!!!
正しい口の形が分かったら、声を出して練習しましょう。
ここに挙げたのは、声優やアナウンサー等、話すことが職業の人達がよく使う発声、発音の練習シートです。
鏡を見ながら、口の形を意識して、ひとつひとつ口をしっかり動かして大きな声で練習しましょう。

あ え い う え お あ お か け き く け こ か こ
さ せ し す せ そ さ そた て  ち つ て と た と
な ね に ぬ ね の な の は へ ひ ふ へ ほ は ほ
ま め み む め も ま  もや え い ゆ え よ や よ
ら れ り る れ ろ ら ろわ え い う え を わ を
が  げ ぎ ぐ げ ご が ご ざ ぜ じ ず ぜ ぞ ざ ぞ
だ で ぢ づ  で ど だ どば べ び ぶ べ ぼ ば ぼ
ぱ ぺ ぴ ぷ ぺ ぽ ぱ ぽ
キャ キェ キィ キュ キェ キョ キャ キョギャ ギェ ギィ ギュ ギェ ギョ ギャギョ
シャ シェ シィ シュ シェ ショ シャ ショジャ ジェ ジィ ジュ ジェ ジョ ジャ ジョ
ニャ ニェ ニィ ニュ ニェ ニョ ニャ ニョヒャ ヒェ ヒィ ヒュ ヒェ ヒョ ヒャ ヒョ
ビャ ビェ ビィ ビュ ビェ ビョ ビャ ビョピャ ピェ ピィ ピュ ピェ ピョ ピャ ピョ
ミャ ミェ ミィ ミュ ミェ ミョ ミャ ミョリャ リェ リィ リュ リェ リョ リャ リョ  

●繰り返すことでだんだん上手くできるようになります。
ここまで読み進め、「そうなんだ!」と理解できても、1度や2度練習しただけでは、残念ながらあまり効果はありません。
短い時間でもいいので、繰り返し練習することが大事です。
始めはしっかりと口を動かしながらゆっくりと、慣れてきたら早口で練習すると良いでしょう。

話すことのプロであれば、長年仕事をしていても、この基礎練習を続けています。
止めてしまえば、すぐ滑舌が悪くなるからです。
そうスポーツと同じですね。
スポーツ女子の皆さんでしたら、繰り返し練習をすることの大切さはよく理解できると思います。

話すことのプロになるのでなくても、面接等の前にこのトレーニングを行っておくと、口がよく動き、また気持ちを落ち着かせる効果もあると思いますよ。

さて次回からのマナー講座は、知っているとちょっと差が付くビジネスマナーをお話しします。
次回は「カバンの扱い方① 会議室に通された時」です。
就活中も、社会人になってからも、知っていると役立つビジネスマナーです。

動画出演者紹介
日本女子体育大学:稲毛優衣さん

<講師紹介>

原 律子
フリーアナウンサー/日本女子大学文学部国文学科卒
学生時代は、山登りに熱中したスポーツ女子
テレビ、ラジオの局アナ、シンガポール日本語放送局DJを経て、
現在、企業研修講師、イベントMCなど
♪モチベーションを上げる曲は、ルイ・アームストロング/ What a wonderful world

(2016年9月掲載記事をリライトしています)