■丹羽さんの取組み「福祉従事者」と「企業」の協働による障がい者雇用の拡大に挑戦
■ゲスト登壇者の井上咲楽さん「社会福祉の素敵なところを感じて、発信して欲しい」
■東京都・竹谷真衣さん「自分らしさを大切にしながら仕事をすると、自分がキラキラする瞬間が訪れる」
みなさんは「福祉」というワードに、どのようなイメージを持っていますか?
福祉業界は、「保育・子育て支援」「高齢者福祉」「障がい者福祉」「生活困窮者への支援」「社会的養護」「社会福祉協議会」など、そのフィールドはさまざまです。
全国社会福祉法人経営者協議会(東京都千代田区)が2024 年 2 月 27 日、“日 本一の福祉ヒーロー”を決める全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2023」を東京都内の会場で開催、受賞者(ファイナリスト)6 人によるプレゼンを経て、グランプリである最優秀賞「ベストヒーロ ーズ賞」を決定しました。
日本一に選ばれたのは、大分県大分市の障害福祉サー ビス事業所「ウィンド」に勤務する、就労支援マネージャーの丹羽信誠(にわ しんじょう)さん(39 歳)。
この日ファイナリストの6人が全国各地から集結。
地域での活動や実践している挑戦(介護・保育・障がい者支援等)について、熱のこもったプレゼンを繰り広げました。
選考は大学教授など有識者 6 人、学生 16 人の計 22 人の投票によりグランプリが決定。
優勝した丹羽さんは、勤務する障害福祉サービス事業所「ウィンド」で、知的障がい者の福祉的就労と一般就労の実践に挑戦しています。
受賞スピーチでは、賞の対象年齢が 20〜30 代であることを踏まえ、「39 歳になったので最初で最後の挑戦の年でした。これを励みにもっと高みを目指していきたい」と未来への抱負を語り、「今日登壇したメンバーみんな一人ひとりが本当に素敵な福祉現場の 体現者であり表現者であると思います。私はいちばん最年長ということですが、(活動そのものは)差はなかった」と年長者らしく謙虚な姿勢で、自分より年下の若手を労いました。
冨岡レポート 福祉業界を目指す学生へのメッセージ 井上咲楽(いのうえ さくら)さん・竹谷真衣(たけや まい)さん
福祉ヒーローズのひとり、東京都の竹谷真衣さん、全国大会にゲストとして登壇された女優でタレントの井上咲楽さんに、話を伺いました。
保育士アンバサダーとして仕事の魅力を発信 竹谷麻衣さん
竹谷さんは、社会福祉法人聖愛学舎が運営する東京都稲城市の保育園「もみの木保育園 若葉台」と世田谷区の保育園「もみの木保育園 太子堂」の両施設で、“保育士アンバサダー”として保育の魅力を発信しています。
タレントとしての活動経験がある竹谷さんは、その経験を活かしながら保育に関わるオリジナルソングに合う振り付けを考案し、自らレコーディングを行っています。
オリジナル動画やダンス制作のポイントは、「職員の得意分野を活かすこと」。
「子どもに主体性を求める今、保育士も同じように主体的に活動することが大切」と考え、歌やダンスに限らず、美術や撮影などを得意とする職員を巻き込んで、職員に主体的に協力してもらっています。また、「職員のポジティブさが子どもの成長には重要」と考え、園内では職員同士で保育という仕事の素晴らしさを語り合う時間を、意図的に作るようにしているそうです。
それは、「子どもと遊んでいるだけ」というイメージの【せんせい】から、保育士は乳幼児期の専門職である【先生】へと、イメージを変えるための取り組みです。
ー竹谷さんの勤務されている「もみの木保育園 太子堂」は東京都世田谷区にありますが、(冨岡が通う)昭和女子大学(世田谷区)と関りがあったりしますかー
あります!初等教育学科だと保育士や幼稚園教諭を目指すことができるカリキュラムがあるので、初等教育学科の生徒は実習に来たり、公開講座を行ったりしています。
ー保育士の仕事で、どんなところにやりがいを感じますかー
成長していくにつれて、幼少期の記憶が完全に残っているということはあまりないのかなと思っています。
しかし、記憶に残ることはないけど、ゼロから子どもたちを支えていくことにやりがいを感じています。
毎日の成長、1年間の成長、人生…。
(子どもたちが)これから生きていくなかで、必要なことを「0→1の関わり」でサポートしていくことに、とてもやりがいを感じます。
ー竹谷さんご自身がタレントとして活動されていた期間があるとお話しされていましたが、「保育士」として働くときに、タレント活動の経験が役に立っていると感じることはありますかー
自分にしかできない仕事ができるということですかね。
保育士って「1人の女優」だと思っています。
そこで、「女優」として「保育士」を演じてお仕事をしていることに、タレント活動の経験が活きているのではないかと思います
ーこれから福祉の分野を学びたい!と思っている学生や、今福祉の分野を絶賛勉強中の学生がたくさんいます。未来の福祉業界で活躍する人たちに、アドバイス、応援メッセージをお願いしますー
福祉の分野は「人のため」の仕事です。
しかし、「人のため」だけではなく、それに加えて「自分らしさ」というものも大切にして欲しいと思います。
自分らしさを大切にしながら仕事をすると、自分がキラキラする瞬間が訪れます。
自分を大切にしながら、自分らしさを発揮しながら、福祉の仕事に取り組んでみてください。
頑張ってください!
今回の全国大会にゲストとして登壇されたのは、ドラマやバラエティー番組などでも大活躍の女優でタレントの井上咲楽さん。将来、福祉業界で活躍する学生へのメッセージをいただきました。
私も福祉にすごく詳しいわけではないのですが、介護施設を訪問した時に、施設の利用者さんとちょっと接しただけで、私の方がすごく元気になりました。
「自分に、なにかできることはないかな」という気持ちで訪問したのですが、人生経験が豊富な方たちから言われたひと言にグッときたり、「もらうもの」が多くて、すごくびっくりしたことを覚えています。
社会福祉ヒーローズの皆さんのように、ぜひ、社会福祉の素敵なところを感じて、発信していただけたらと思います。
頑張ってください!
これから福祉のことについて学んだり、実際に現場で活躍する学生のみなさん。
福祉の分野で活躍する先輩方の活動をどう感じましたか?
これからの社会福祉を支えていく立場として、福祉の新たな可能性、改善すべき課題などを見つけ出し、未来の「社会福祉ヒーローズ」を目指して頑張ってください。
写真提供:全国社会福祉法人経営者協議会
取材 学生スタッフ 冨岡 美桜 (昭和女子大学3年)