トップアスリートへの取材を通して、私たちが探していた答えが「スポーツを通して磨かれる人としての力」であることに気付きました。
では、その「人としての力」とは、どんな力なのでしょう。
10年間、RanRunではオリンピアンをはじめ、多くのトップアスリートや指導者の皆さんにインタビューを行ってきました。
競技は違っても、皆さんに必ずお聞きしてきた質問があります。
「スポーツを通して、人として成長したことは何ですか?」
創刊当初から変わらない質問です。
限界を決めない力
岩本亜希子さん(ボート)「限界を自分で作らないこと」
今できることを積み重ねる力
上田春佳さん(水泳)「今できることを今やる」
地道に努力を続ける力
桜井美馬さん(ショートトラック)「小さなことを積み重ねる」
自律し、仲間と協力する力
西田優香さん(柔道)「勝つためのイメージを作る」
チームをつくる力
大石綾美さん(ボート)「レースも練習も楽しむべき」
競技も競技歴も違います。
それでも、皆さんの言葉には共通点がありました。
私たちは、その共通する力を「人間力」と呼ぶようになりました。
もちろん、この言葉は私たちが作ったものではありません。
しかしRanRunでは、「スポーツを通して育まれ、社会で生きる人としての力」という意味を込めて使っています。
スポーツは、勝つことだけを学ぶ場所ではありません。
思うような結果が出ない日もあります。
努力しても報われないことがあります。
怪我をすることもあります。
レギュラーになれないこともあります。
それでも目標に向かって努力を続ける。
仲間と支え合う。
自分を律する。
そうした経験の積み重ねが、人としての成長につながっていると感じました。
企業の採用担当者に話を伺うと、
「学生時代にどんな役割を担ったのか」
「困難をどう乗り越えたのか」
「チームで何を考え行動したのか」
そうした経験を知りたいという声をお聞きします。

それは競技実績を見ているのではありません。
私たちが「人間力」と呼んできたものを、企業もまた学生の経験の中から見ようとしているのではないでしょうか。
RanRunは、競技成績だけを紹介することはありません。
競技の魅力はもちろん、悩んだこと、失敗したこと、支えてくれた人への感謝、
そして、人として成長した瞬間を大切に取材してきました。
そこにこそ、未来の社会へつながるヒントがあると信じているからです。
スポーツで培われる力は、競技が終わっても決してなくなることはありません。
私たちは、もうひとつ気づいたことがあります。
取材をする学生インターンもまた、大きく成長していました。
スポーツとは無縁だった学生が、アスリートの言葉に刺激を受け、「努力すること」「仲間を思いやること」「自分と向き合うこと」を学んでいきました。
取材は、記事を書きスキルを磨くためだけの時間ではありません。
人と出会い、人から学ぶ時間になっています。

培った人間力は、社会に出てからも人生のさまざまな場面で生き続けます。
私たちは、これからもスポーツを通して「培われた力」「人として成長したこと」を伝え続けたいと思います。
そして、それを学生自身の言葉で表すお手伝いをしていきたい。
それが、RanRunの使命だと思うからです。
さて、編集部にも驚くことが明らかになっていきます。
RanRunを読んでくださっていたのは、学生だけではなかったのです。
新たな読者との出会いは、RanRunが発信するテーマをさらに広げていくことになります。
次回は、スポーツ女子の就活支援から始まったRanRunが、「挑戦を続ける女性たちを応援するメディア」へと広がっていった経緯をお話しします。
