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「社会福祉ヒーローズ」日本一は「福住山ゆりの里」稲葉夏輝さん“TikTok・Instagramで「介護の仕事」の魅力を発信

全国社会福祉法人経営者協議会(東京都千代田区)が2023年2月28日、社会福祉の現場の第一線で活躍する若手職員を表彰する「社会福祉ヒーローズ」賞のグランプリを、兵庫県丹波篠山市の社会福祉法人「福住山ゆりの里」に勤務する、相談員・介護福祉士の稲葉夏輝さん(35歳)に授与しました。

全国社会福祉法人経営者協議会は、プレゼンで“日本一の福祉ヒーロー”を決める全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」を、東京の会場で開催。
選抜されたファイナリスト6人は、全国各地から集結し、地域での活動や実践している挑戦(介護・保育・障がい者支援等)について、ステージで熱くスピーチしました。

社会福祉ヒーローズ受賞6人と松本まりかさん他

稲葉さんは、勤務する介護老人福祉施設「やまゆりの里」で、SNSを通じ、施設の日常生活を発信。
介護の仕事の魅力を広げることに挑戦しています。受賞スピーチで、「福祉の魅力がたくさんの方に伝わるように、一生懸命、そして楽しんで、お年寄りと接して、SNSで発信していき、これからたくさんの方が福祉を仕事にしたいと思ってもらえるような投稿を引き続きしていきたい」と、未来への抱負を語りました。

「創意工夫を凝らした新たな福祉」に挑戦する若手日本一となった稲葉さん

TikTok・Instagramのフォロワー数、業界随一!
「介護の仕事」の魅力を発信し、人材採用

SNSのフォロワー数が、業界随一(TikTok(ティックトック)約1.5万フォロワー、Instagram(インスタグラム)約2万フォロワー、2023.1現在)を誇る、介護老人福祉施設「やまゆりの里」。
2017年からSNS担当となり、“施設の日常生活”を発信することでファンを増やすのが、稲葉さんの役目です。

SNSの活用にあたり、稲葉さんら職員の根幹にあるのは、「入居者さまの願いを叶え、笑顔になっていただきたい」という思い。
家と変わらない日常(料理や畑作業)や、プライドを守った排泄(おむつ使用率ゼロ)、心も身体も元気になる入浴(全員個浴)、夢を叶える活動(旧友との再会)などを実践しています。
「利用者の夢を叶える介護」をテーマにした職員の取り組みにより、利用者の笑顔が徐々に増えています。

この、職員による夢を叶えるストーリーと利用者の自然な笑顔が、SNS上で共感や感動を呼び、フォロワーが急増。
知名度アップに加えて、採用面でも反響が生まれています。SNSを見たことがきっかけで、青森や東京、福岡など全国各地から就職の希望があり、約4年間で15人の採用が実現しました。
「介護はクリエイティブで、笑顔を増やせる仕事。きつい、汚いなど大変そうな業界のイメージを、TikTokとInstagramを使って一新させ、介護の仕事を“なりたい職業ナンバーワン”にする」。
この思いが、稲葉さんを動かす原動力です。

過去最多、全国から20~30代の若手職員68人が応募!“社会福祉版の甲子園”

“社会福祉版の甲子園”ともいえる「社会福祉ヒーローズ」賞は、全国社会福祉法人経営者協議会が福祉の魅力発信を目的に、2018年3月に創設しました。
介護、保育、障がい者支援などに従事する20~30代の若手職員が対象です。
5回目の今回、全国各地から過去最多の68人から応募がありました。

応募の中から、“創意工夫を凝らした新たな福祉”に挑戦する、6県(千葉・神奈川・兵庫・岡山・島根・大分)の6人に、2022年度の「社会福祉ヒーローズ」賞を授与しています。
6人の平均年齢は32歳(2023.1.26時点)です。

審査の主な選考基準は、「社会福祉の世界を変える意欲と実績のある若手」です。
大学教授や福祉関連の学生起業家ら有識者が、審査員を務めています。

全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」は、オンラインで生配信しました。