• 金. 5月 3rd, 2024

元日本代表のフットサル教室。指導者の心得とは。ハッピーシェアプロジェクト② 

「子供達のヤル気を引き出すのも指導者なら、ヤル気を失わせるのも指導者。指導者はそれだけ影響力のある仕事」と教えてくれたのは、サッカー元日本代表で、サッカー解説などメディアで活躍されている福田正博さん。

「血友病であっても日常生活にスポーツを取り入れて欲しい」と、同世代の子供と一緒にスポーツを楽しむ機会を作る「ハッピーシェアプロジェクト フットサル・ミーティング2016(主催 バイエル薬品株式会社)が11月20日、ROX・3Gマルチコート(東京都台東区)で開催され、福田さんは小学校低学年を対象としたフットサル教室で指導にあたりました。

トップアスリートに直接指導を受けられるとあって、子供達のテンションはイベント開始前から絶好調。女子3名も頑張っていました。
先ずはボールを持って「だるまさんがころんだ」
フェイントをかけては、なかなか子供達をゴールさせない福田さん。
子供達の集中力が少しずつ高まっていきます。

手前の小さなスポーツ女子は、実は年長さん。サッカーを始めて数か月だそうですが、上手くなりたいという想いを全身から発していました。

ボールを使ったトレーニング中も、子供達は福田さんの動きに真剣に見入っています。

いよいよドリブル。子供達は勢いよく駆け出します。

立ちはだかる福田さんをどうかわすか、子供達は考えながら進んでいきます。

ミニゲームに入りました。
ボールをキープする福田さんから、子供達はなかなかボールを奪えません。

子供の方も、ボールをキープしてシュートのタイミングをうかがっています。

血友病についてお話をした医師の天野先生、ウォームアップの指導をした理学療法士の野口先生もミニゲームに参加していました。

福田さんは子供達へのメッセージとして、「夢とか目標に向かって頑張って欲しい。いろいろなことを経験しながら自分の好きなことを見つけて、失敗を恐れずにチャレンジして欲しい」とエールを贈りました。

参加した児童は25名、その中には血友病の患児も含まれていましたが、福田さんは「普段のフットサル教室と変わらず、病気は関係ないという印象でした」と言い、「子供達の笑顔で楽しい時間を過ごすことができました」とコメントしました。
子供達の指導をする際の心がけについて、福田さんに伺いました。
指導者を目指す皆さんは、ぜひ、参考にしてくださいね。

子供達のヤル気を引き出すのも指導者なら、ヤル気を失わせるのも指導者です。
指導者はそれだけ影響力のある仕事。
しっかり見てあげることと、話を聞いてあげることが大切です。
子供達にとって一番辛いことは、無視されること。
気にかけてあげることで、見てもらっているという安心感が生れます。
そして認められることが大事。
自分の心に余裕を持ち、いろいろな角度から子供達を見て、いいところを探します。
その子にあった目標設定をします。ちょっと頑張ったらできる目標にすることがポイントです。
目標に向けた練習メニューを決めます。
目標をクリアすることで達成感を得ることができます。
頑張りが認められ、モチベーションが上がります。

これが、福田さんのヤル気を引き出すテクニックです。
今回のフットサル教室の様子を振り返ると、この全てが詰まった内容だったことに気づきます。

「あー、楽しかった!」
エレベーターで一緒になった子供達は、やりきった感に満ちた笑顔で帰っていきました。

元サッカー日本代表 福田正博さん

<講師紹介>

福田 正博(ふくだ・まさひろ)
元サッカー日本代表・元浦和レッズ選手
中央大学卒業後、1989年に三菱自動車(現在の浦和レッズ)に入団。
1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王に輝くなど、Jリーグ通算228試合で93得点をマーク。「ミスターレッズ」の愛称で親しまれた。
日本代表では、45試合で9ゴールを記録、1993年のワールドカップアジア地区最終予選も経験した。
2002年現役を引退。
サッカーの普及活動、浦和レッズでのコーチなどを務め、現在はサッカー解説者としてメディアで活動している。