• 月. 5月 27th, 2024
金メダリスト菊池彩花さん

あなたらしさはなんですか?周りの環境や状況に振り回されることなくあなたらしく輝いてください。どんな状況も楽しみながら目標達成のために歩みを止めることなく学び続けてください。

金メダリスト 菊池彩花さんからスポーツ女子へのメッセージだ。

2018年平昌オリンピックで金メダルを獲得したスピードスケート 女子チームパシュートのパフォーマンスに勇気をもらった人は多いのではないだろうか。
メンバーのひとり菊池彩花さんは、オリンピックの1年半前に負った大けがを乗り越えての金メダルだった。
2020年4月、菊池さんは大けがから復活するために自身が行った「トリバランス・トレーニング」について多くの人に伝えたいと本を出版した。
トリバランス・トレーニングは、「運動・食事・休息」どれかだけ頑張ってもダメで、この3つともバランスよく鍛えるということがコンセプトのトレーニング方法だ。

菊池さんに、競技のこと、トリバランス・トレーニングのこと、スポーツ女子へのアドバイスなど話を伺った。

氷の上でタイムを競うスピードスケート。
その一番の魅力は、自身の体で体感できるスピード感だと菊池さん。
中距離が得意種目だった菊池さんは、スピードに合わせて持久力も必要なため、心技体全てのバランスが重要だったと話す。

スケートを始めたきっかけを尋ねると、「スケートが身近な地域に生まれ育ったことが大きいと思います」と返ってきた。
菊池さんは長野県南佐久郡南相木村の出身。
中学時代からスピードスケートで全国大会に出場している。

パシュートの魅力
パシュートは3人目のスケートがラインを通過したところがゴールタイムとなるため、いかに3人が早くゴールするかが重要になる。
チームとして阿吽の呼吸になるまで、チーム一丸となってトレーニングを重ねていった。
スケーターは体の大きさも、スケーティングのテンポやストロークの長さなど個々に違うので、合わせられるようになるまでが大変だったそうだ。
パシュートはスピードスケートのオリンピック正式種目中では唯一のチーム種目だ。
チームメイトと試行錯誤しながら良いものにしていくところが、パシュートの魅力だと教えてくれた。

パシュートで金メダルを獲ったことで、今までにない経験をたくさんさせてもらった。
しかし、自分の物差しは今までと変わることはないときっぱり。
「これからの人生もひた向きに努力し続けることに変わりありません」と話す。

自分自身と向き合うことで得たもの
オリンピックの1年半前に大怪我を負った菊池さん。
その時の経験は自分自身と向き合う時間になった。
それまでコツコツと積み重ねてきたものに物足りなさを感じていたそうで、理想の自分とのギャップがあったと話す。
なにかがうまく噛み合わず、ひとつステップアップするために今の自分に何が必要なのかを考えた。
そしてトリバランス・トレーニングを徹底して行ったところ、体が変化した。

インプットを変えたことで体が変わり、体が変わると心が変わった。
体も心も変わると動きが変わり、そしてパフォーマンスも大きく変わった。
大怪我から復帰することができ、そしてオリンピックでの金メダル獲得へとつながった。

トリバランス・トレーニングは、運動・食事・休息からなる。
運動の部分に関しては、小学生の頃からやっていくことで怪我の予防をすることが期待できるそうだ。
食事に関してはすべての皆さんに取り入れていただきたいと菊池さんは言う。
この考えはオンリーワンの考え方だからだ。
ただ注意事項として、まずはセルフチェックすることが大前提であり、自分に合ったやり方を実施することが望ましいと話す。

アロマに関しては、「ご興味のある方はぜひ試してみてください」と菊池さん。
頑張るのは得意だが、休息をとるのが苦手だった菊池さんは、心も体も休める手段としてアロマを利用したそうだ。

アスリートのライフスタイル
競技者として過ごしている時は、全てスケートのためという考えで過ごしていたという菊池さん。
食事の面では、自分の体に必要なものを補うという考え方を大切にしている。
リフレッシュするために、競技者の頃はアロマや温泉に行っていたそうだ。
「あとはおいしいコーヒーを飲むこと」と教えてくれた。

詳しいことは、本を読んでいただきたい。

本に託した思い
若い頃はただガムシャラに目標に向かって走ってきて、何かが噛み合わないと感じながらも走り続けていた菊池さん。
正しい努力の積み重ねをしないと結果には結びつかないことに、けがをして気づいた。

菊池さんはナショナルチームの氷上合宿中に大けがを負った。
大けがを負ったことで、絶対無理だと思われていた状況でも、ひた向きに自分とスケートと向き合い、少しずつの積み重ねをすることで、結果はどうであれ自分にとって良き時間を過ごせると思った。
運動・食事・休息このバランスをとりながら実践していくことは基本的なこと。
基本を疎かにすると辿り着けるものも辿りつかないと話す。

菊池さんは、幸いなことに目標だったオリンピックの金メダルにたどり着くことができた。
「たくさんの方々の支えや応援があって素晴らしい経験をさせていただきました。これらの経験や思いが本書を手に取ってくださった方の支えとなれば嬉しいと思い、本を書く運びとなりました」

現在は子育てをしながらコーチの仕事をしている菊池さん。
選手がスケートをやってよかったと思えるように指導していくことが、今後の目標だ。

コロナ禍で練習が思うようにできない学生へのアドバイス
現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、部活動があまり積極的に活動できない状況が続いている中、自主練習やオンライントレーニングなど工夫をして体づくりをしている学生に向けてアドバイスをいただいた。

どんな状況であれベストを尽くすことはとても大切なことです。
今のこの状況を自分で変えられるわけではありません。
まずはモチベーションを保つ方法を見つけてみてください。
私の場合は仕事とプライベートのオンとオフを意識して切り替えることでモチベーションを保つようにしています。
今だからこそできることは必ずあるはずです。
こんな状況でなければ時間を裂けなかったことや、気がつけなかったことはあると思います。
自分自身に問いかけ探してみてください。

取材 昭和女子大学 3年 竹田えりか

菊池彩花さん著書『トリバランス・トレーニング』サイン本プレゼントは終了しました。