• 金. 4月 26th, 2024

学生生活最後の夏という方も多いことでしょう。
何か、思い出作りは考えていますか?
就活をしていて、「これまでとは違う判断基準で自分は評価されている」と感じた人はいないでしょうか?
もう何十年も前のことになりますが、社会人になりたての頃、そう感じたことを、今でもよく覚えています。

企業の新入社員研修をすることがありますが、その中で「学生と社会人の違いは何ですか?」と質問した所、「学生はテストの成績で評価されるが、社会人は人間力で評価される」と答えた方がありました。
例えば笑顔。学生時代、笑顔が有る無しで成績が左右されるなんてなかったと思いますが、社会に出たら、笑顔は採用するかしないかの大きな判断基準になると考えます。
笑顔の素敵な新入社員が入ってくれたら、得意先やお客様にも好印象を与えられるでしょうし、一緒に働いていても気持ちがいい。
会社にとってメリットはたくさんあります。
その他にも、気配りができるとか、礼儀正しい敬語が使えるまじめさが伝わってくる等、学生時代の教科にはなかったことばかりです。

もし今、「何だか上手くいかない」とモヤモヤした気持ちでいるとしたら、学生時代の判断基準は一度リセットされ、社会人として、別の判断基準の世界に入って行く入口にいるんだと、自分の中の意識をはっきりと変えた方がいいと思いますよ。

さて、マナー講座今回から3回に渡っては、「普段から習慣化し、いざという時にも自然にできるようにしておきたいビジネスマナー」を取り上げます。
リクルートスーツを着た時だけ何とかしようとしても、体が動かず、なかなか上手くできないものです。
マナー講座で取り上げることを常に意識してやってみて下さい。

★話しを聞いている時の表情?
人前で話しをする時に、笑顔で話すように気を付けている人は多いと思いますが、今回お話ししたいのは、人の話しを聞く時の表情です。
例えば大学で講義を受ける時、教授の話しを聞いている自分の表情を意識している人はいないと思いますので、そんなことは考えたことがなくて当然ですね。

でも、就活時、訪問先の担当者の話しを聞く時や、社会人になって、得意先やお客様の話しを聞く際には、話しを聞くマナーが必要だと感じています。
皆さんは、「私はちゃんと聞いている」と思うかもしれませんが、話し手は、あなたが本当に聞いているかどうか、何で判断するのでしょう?後から内容の理解度テストでもしない限り、なかなかわかりません。
そんな時、判断の基準になるのが、聞いている時の表情や、視線、頷く等の態度です。
「柔らかい表情で、時々話し手と視線を合わせる。頷きながら話を聞く」等ということをすると、話し手は「話の内容を受け入れている。好意を持ってしっかり話しを聞いている」という印象を持ちます。
また、自分がどう見られているか全く注意を払っていない時って、人は無防備で、口を開いていたり歪めていたり、無意識に髪をいじっていたりしがちです。
また、下を向いたままでは、表情が見えず、聞いているのかいないのか分かりません。
これでは良い印象は持っていただけませんね。
では、好印象を与えるにはどんなことに気を付けたら良いでしょうか?
まず、動画を見てイメージを掴んでみてください。

いかがでしたか?

●話しを聞く時も、口角がポイント!
以前にマナー講座で、「笑顔を作るポイントは、目尻を柔らかくすることと口角を上げること」とお話ししましたが、聞いている時も同様です。
特に、口角を上げた表情を作って話しを聞くことは効果的です。
口角とは唇の両端のこと。
ここを柔らかく横に引っ張り、さらに少し上に引き上げるようにします。
鏡を見ながら、特に表情を意識していない素の顔の時と、口角を上げた時と比べてみて下さい。
不機嫌そうに見えた顔が、口角を上げると、急に表情が活き活きとするのに気付くでしょう。
更に仕上げとして、目尻を柔らかくして話し手を見れば、優しさもアップします。

●私も実践しています
私の仕事は「話しをする」方ですが、研修等では、受講者の発言を聞いたり、質問に耳を傾ける場面も多くあります。
そういう時、話を聞いている自分の表情は、とても意識しています
口角を上げ、柔らかな表情で、頷きながら話しを聞きます
集中して話しを聞いていることにかわりはないのですが、そのような表情や態度をすることで、受講者は「話しを真剣に聞いてもらえている」「自分の意見を受け入れてくれている」という印象を持て、発言しやすくなると思うからです。

●一対一でも大勢でも、聞く態度は同じ
「一対一なら、話しを聞く表情も重要かもしれないけれど、何十人もいる時は、表情なんて見えない」と思っていませんか?
いえいえ、話し手からはとても良く見えます
相手と視線を合わせることをアイコンタクトと言いますが、多くの人が聞き方のマナーなど気に掛けていない中で、活き活きとした表情で、アイコンタクトを取り、頷きながら話しを聞いている人はとても目立ちます
そして、とても好印象です。

どうですか?話を聞く時のマナーの大切さ、理解していただけましたか?
動画の収録に立ち会ったRanRun編集部のスタッフは、「聞いている態度のアピールも大事ってことですね!」と言っていました。

そういうことなんです!

話しを真剣に聞くことが大事なのは言うまでもありません。
それにプラス、聞いていますよという態度を示すことで、良い印象を与えることができるということです。
ぜひ普段から、話を聞いている時の表情を意識してみて下さい。

次回も、習慣化しておく事で、いつでも自然に好印象を与えられるビジネスマナーをお話ししていきます。
次回は「スマートな座り方と歩き方」です。
ヒールの靴を履いた時の立ち居振る舞いに慣れていない人は、参考にして下さい。

講師紹介

原 律子
フリーアナウンサー/日本女子大学文学部国文学科卒
学生時代は、山登りに熱中したスポーツ女子
テレビ、ラジオの局アナ、シンガポール日本語放送局DJを経て、
現在、企業研修講師、イベントMCなど
♪モチベーションを上げる曲は、ルイ・アームストロング/ What a wonderful world

(2016年7月掲載記事をリライトしています)