• 火. 6月 2nd, 2026

梅雨時期の“作り置き”に注意!管理栄養士100人調査でわかった食中毒リスク、第1位は「食べ残しの再保存」

梅雨入りシーズンになり、気温や湿度が高まるこの季節。
忙しい毎日の味方である「作り置きおかず」ですが、保存方法によっては食中毒リスクを高めてしまうこともあるようです。
株式会社エミッシュが、栄養士・管理栄養士限定の専門コミュニティ『栄養士ラボ®』に所属する栄養士・管理栄養士100人を対象に「作り置きおかず」に関するアンケート調査の結果を公表しました。
「食べ残しを再保存して翌日以降に食べる」「調理後に常温で放置する」といった、家庭でありがちな行動が危険視されていることが判明。
梅雨シーズンを安心して乗り切るためのポイントをご紹介します。

梅雨シーズンは家庭内の食中毒リスクが高まる季節

沖縄では平年より6日早い5月4日に梅雨入り、本州でもじめじめとした季節が近づいています。
気温と湿度が高くなると、細菌が増殖しやすい環境になります。
特にまとめて作ったおかずを数日かけて食べる「作り置き」は、保存方法によって食中毒リスクが高まる可能性があります。
忙しい学生や社会人、一人暮らしの人にとって作り置きは便利な習慣ですが、正しい知識を持つことが大切です。

最も危険視されたのは「食べ残しの再保存」

調査で「家庭の作り置きで最も食中毒リスクを高めていると感じること」を尋ねたところ、

  1. 「食べ残しを再び保存し、翌日以降に食べる」(37%)
  2. 「調理後、しっかり冷めるまで常温で放置する」(32%)
  3. 「再加熱が不十分」(15%)

という結果になりました。

「もったいないから冷蔵庫に入れておけば大丈夫」「調理後は冷めてから冷蔵庫に入れたほうがよい」などと思いがちですが、専門家はそこにリスクを感じていることがわかりました。

再加熱すれば安心とは限らない

作り置きのおかずを電子レンジで再加熱して、安心していませんか?
アンケートでは、「一度増殖してしまった菌が作る有害な物質は、加熱しても消えない場合がある」という回答が最も多く選ばれています。
また、「カレーなど粘度の高い料理は中心まで熱が通りにくい」「電子レンジの加熱ムラで菌が残る可能性がある」といった指摘もあります。

食中毒予防では「後から加熱すること」よりも、「最初から菌を増やさないこと」が重要です。

大切なのは「早く冷ます」こと

作り置きおかずの食中毒対策として特に有効だと思うものを聞いたところ、

  1. 「中心までしっかり加熱する」(70票)
  2. 「調理後は30分以内に素早く冷やし、冷蔵・冷凍保存する」(62票)

となりました。

「しっかり加熱」と同時に、「調理後は早めに冷やす」ことを意識することが大切です。

調査では、効率的な急冷テクニックとして、

  1. 「保冷剤を敷く」
  2. 「ステンレスバットに移す」
  3. 「小分けにする」

などが多かったです。

82%のプロがお酢や梅干しを活用

調査では、食品を傷みにくくするために酢や梅干しを利用していると答えた専門家は82%にのぼりました。

具体的には、

  • ピクルス
  • マリネ
  • 南蛮漬け
  • 酢の物
  • 煮浸し

などのメニューが挙げられています。
夏野菜を使った酢の物やマリネは、さっぱりと食べられるだけでなく、作り置きメニューとしても人気です。

作り置きは「2〜3日以内」が目安

「作り置きおかずを安全に食べられる限界の日数」については、

  1. 3日以内(43%)
  2. 2日以内(40%)

という回答が大半を占めました。
冷蔵庫に入れているからといって長期間保存できるわけではありません。
無理に保存期間を延ばすよりも、食べ切れる量を作ることが安全につながります。

専門家コメント: 冨田沙織さん

今回の調査と同様、私自身も「食べ残しの再保存」や「調理後の常温放置」にリスクを感じています。
実際に出張シェフとしてご家庭へ伺う中でも、「粗熱が取れてから冷蔵庫へ入れた方が良いと思っていた」という声は多く聞かれます。
特に子育て世代では、食事や片付けを同時進行で行うことも多く、気づかないうちに食卓へ置いたままになるケースも少なくありません。
しっかり加熱することは意識されやすい一方で、実は“調理後に素早く冷やすこと”も非常に重要です。
給食現場では、調理後30分以内に20℃以下まで冷却※することが基準として定められており、菌を増やさないための温度管理が徹底されています。
ご家庭では、保冷剤を敷く、ステンレスバットへ移す、小分け保存をするなど、「早く冷ます工夫」を取り入れるだけでもリスク軽減につながります。
また、82%の専門家が活用していた梅干しや酢を使ったマリネや南蛮漬けは、暑い時期にも取り入れやすいメニューです。
ただし、“傷みにくい”と“傷まない”は別です。
作り置きは無理に長持ちさせようとするのではなく、2〜3日を目安に食べ切ることが安心につながります。
忙しい毎日の中でも、「早く冷ます」「清潔に保存する」といった小さな工夫の積み重ねが、ご家庭でできる食中毒予防の第一歩だと感じています。

 ※厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000139151.pdf

プロフィール

冨田沙織(とみた さおり)

お子さまからアスリートまで、幅広い世代の健康を食から支える管理栄養士・調理師。

保育園・小学校・オーガニックカフェ・スポーツ選手寮など、多様な調理現場を経験。現在は出張シェフとして、主に子育て世代の家庭に向けた作り置き調理や献立提案を行っている。栄養面と衛生管理に配慮した、「からだにやさしい家庭料理」を得意とする。

■調査概要

実施機関   :株式会社エミッシュ
調査方法   :インターネット調査
調査期間   :2026年4月10日(金)~4月11日(土)
有効回答者数 :『栄養士ラボ®』所属の栄養士・管理栄養士資格保有者100人

■調査結果

◎家庭の作り置きで、最も食中毒リスクを高めていると感じていることTOP3

第1位「食べ残しを再び保存し、翌日以降に食べる」(37%)

第2位「調理後、しっかり冷めるまで常温で放置する」(32%)

第3位「再加熱が不十分」(15%)

◎作り置きにおいて、食中毒リスクを減らすために特に有効だと思う食中毒対策

第1位「中心までしっかり加熱する」(70票)

第2位「調理後は30分以内に素早く冷やし、冷蔵・冷凍保存する」(62票)

第3位「清潔な保存容器を使う」(28票)

◎82%のプロが、お酢や梅干しを活用した食中毒対策を実施

食品を傷みにくくする働き(防腐・静菌効果)を活用するために、酢や梅干しなどを利用することがあるか聞いたところ、利用していると答えた人は「よく利用する」、「たまに利用する」あわせて82%に。
●具体的な活用例(自由記載欄から抜粋)
◎ピクルスやマリネ、南蛮漬け、煮浸しなど保存がきくかつ夏バテ防止のメニュー
◎一気にたくさん収穫できる夏野菜(なす、トマト、きゅうり)の酢の物、マリネ、南蛮漬けなどにしておくことでたくさん食べることができる。

◎作り置きおかずを安全に食べられる限界の日数は2~3日

一般的な冷蔵保存(10℃以下)において、作り置きおかずを安全に食べられる「限界の日数」は何日程度だと考えるか聞いたところ、「3日以内」が43%、「2日以内」が40%との結果に。

◎作り置きおかずの再加熱 実は一度増殖してしまった菌が作る有害な物質は加熱しても消えない場合がある

作り置きのおかずは、電子レンジなどで再加熱すれば安心と思われがちですが、加熱だけでは不十分だと思うポイントを聞いたところ「一度増殖してしまった菌が作る有害な物質は、加熱しても消えない場合がある」が最多となりました。
第1位「一度増殖してしまった菌が作る有害な物質は、加熱しても消えない場合がある」(56票)
第2位「粘度の高い料理(カレー等)は、中心部まで熱が通りにくい」(16票)
第2位「電子レンジ特有の加熱ムラにより、菌が生き残る場所ができる」(16票)

◎最も効率的な急冷(料理を素早く冷ます)テクニックは「保冷剤を敷く」

忙しくてもできる、最も効率的な「急冷(料理を素早く冷ます)」テクニックを聞いたところ、以下の回答が得られました。

第1位「保冷剤を敷く」 (39票)     
第2位「ステンレスバットに移す」 (30票)
第3位「小分けにする」(20票)

会社名 : 株式会社エミッシュ
事業内容: ・レシピ開発、撮影
      ・食専門家のキャスティング
       (管理栄養士、料理研究家、フードコーディネーター等)
      ・商品開発、コンサルティング
      ・キッチンスタジオ運営 等
URL   : https://www.e-mish.com/

小さな工夫が、毎日の安心につながる

梅雨シーズンは、家庭内でも食中毒への注意が必要な時期です。
今回の調査から見えてきたのは、「しっかり加熱すること」だけでなく、

  • 食べ残しを再保存しない
  • 調理後は素早く冷やす
  • 清潔な容器で保存する
  • 2〜3日以内に食べ切る

といった基本的な習慣の大切さでした。
忙しい毎日の中でも、小さな工夫の積み重ねが食中毒予防につながります。
これからの季節は、「早く冷ます」を合言葉に、安全でおいしい作り置きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※本記事は株式会社エミッシュが実施した「栄養士ラボ®」所属の栄養士・管理栄養士100人を対象とした調査結果をもとに構成しています。

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