• 土. 5月 11th, 2024

生理、ちゃんと来ていますか?生理不順の悩み

「生理がたまに来る」「突然来るので困る」「月に2回も来る」「生理期間が短い」
スポーツ女子へのアンケートには、生理不順の悩みについての回答が多くみられました。
3カ月以上来ない場合は無月経といいます。生理不順について、日本体育協会公認スポーツドクターで、埼玉医科大学産科婦人科講師の難波聡(なんばあきら)先生にお話を伺いました。

【生理不順】
生理の周期はおおよそ25日~38日くらいとされ、個人差があります。出血する期間も、平均3日~1週間くらいといわれています。
多少のバラツキは心配しなくても大丈夫です。しかし、病気が潜んでいる場合もありますので、下記の場合は要注意です。

【生理の周期が短い】
周期が24日以内と短い場合、頻発月経といいます。
生理が月に2回来るという人は、周期を数えてみましょう。

【月に生理が2回、それは怖い病気かもしれません】
正常に排卵していない可能性があります。
不正出血は怖い病気が隠れている場合がありますので、すぐにでも婦人科を受診しましょう。

【不正出血】
生理以外のときに異常出血することです。
大半は、ホルモンバランスの乱れによるものですが、子宮筋腫や子宮がんなどの怖い病気が隠れている場合があります。
油断ならない症状だと理解し、すぐにでも婦人科に行くべきです。

【生理の周期が長い】
生理の周期が39日以上と長い場合、希発月経といいます。
生理がたまに来るという人は、周期を数えてみましょう。

【3ヵ月以上生理が止まっている】
3ヵ月以上生理が来ない状態を無月経といいます。
急激な減量や体重制限をかけているスポーツ競技をしている人は、その期間だけ無月経になることがあります。
これは体重コントロールにより、戻すことができます。
しかし、他に原因がある場合もあります。
病気の可能性や妊娠の可能性も考えられます。
スポーツの性だと安易に決めつけず、一度は医師に相談をしてください。

【生理が無い】
体重制限による無月経の場合は、体重を戻せば生理は必ず来ます。
体重を戻しても生理が来ない場合は、病気の可能性がありますので、必ず医師に相談してください。
また、中学卒業までに生理が1度も来たことがないという場合も、必ず医師に相談してください。

【婦人科の主治医を持ちましょう】
学生のうちは、婦人科にかかることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、生理の悩みを抱え、我慢を続けることは決してよいことではありません。
また、スポーツで最高のパフォーマンスができるように体調をコントロールすることも、競技者として大事なことです。
先ずは、家の近くや大学の校医さんなど、身近な婦人科クリニックなどに相談するのもよいでしょう。
月経コントロールを考えるのであれば、スポーツに理解のある医師を探すなども検討したいですね。
自分に合った医師を探し、いつでも相談できる主治医を持つことが大切です。

<監修:難波 聡(なんばあきら)先生プロフィール>

平成 7年 3月 東京大学医学部医学科卒業
平成14年 3月 東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻修了
平成14年 4月~ 東京大学医学部附属病院
平成15年 7月~ 東京都教職員互助会三楽病院
平成17年 7月~ 埼玉医科大学病院
現在、日本陸上競技連盟医事委員会、日本オリンピック協会医学サポート部会員、臨床スポーツ医学会評議員、日本体育協会公認スポーツドクター、臨床遺伝専門医、埼玉医科大学陸上競技監督