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今やっていることに全力を注げ! 元五輪代表 岩本亜希子さん

Byranchan

12月 19, 2015 #岩本亜希子

アジア大会4回、世界選手権7回、シドニー・アテネ・北京・ロンドンとオリンピックに4回出場し、トップアスリートとして世界で戦ってきたボート競技元日本代表の岩本亜希子さん(アイリスオーヤマ株式会社所属)。現在は、9カ月のお子さんのママとなった岩本さんに話を聞いた。

<ボートの魅力>

「水の上は非日常。初めてボートに乗った時の水の上をスーッと立った時の感動に勝るものはありません」水の上で一人ボートに乗った時の圧倒的な解放感、景色、ボートに乗った人にしかわからない魅力を語る。チーム戦の場合は、「1+1が2にならない。1+1が0.8だったり、3になったりする難しさがボート競技の面白さ」。シングルで戦うことが多かった岩本さんだが、「チーム戦が好きです」と笑顔をみせた。

<ボート競技を始めたきっかけ>

ボートを始めたのは高校生になってから。バルセロナ五輪水泳競技で同年齢の岩崎恭子さん(当時14歳)がメダルを獲得したことに衝撃を受け、「私も強くなりたい」と思ったという。姉がボートのインカレで表彰台に上がる姿を見て、自身もボート競技に自分の輝ける場所を見出した。全国大会に出ると色々な場所に行けた。世界ジュニア代表に選ばれ、夢を叶えていった。

<大学生活>

早稲田大学教育学部の学生だった岩本さんは、朝5:30~7:30に練習をしてから大学に登校した。授業が終わると帰ってまた練習という生活。学生時代から日本代表として活躍した背景には、勉強との両立での苦労もあった。練習のことを考えながら授業の時間割を作っていても、日本代表ともなると授業に出られない期間も出てくる。厳しい言葉をかける先生もいたそうだ。

<就職活動>

就職活動では、ボート競技を続ける環境としての企業選びをした。当時、アイリスオーヤマがボート部を新設するという話を聞き、新しい環境なら今以上の選手になれると考えたそうだ。クリエイティブな理念に共感し、アイリスオーヤマに就職を希望、1次選考から受けたという。ボート競技は耐えるスポーツという岩本さん。面接では、努力を積み重ねてきた勤勉さをアピールした。また、7分のレースの中で、疲れたところからそれをエネルギーに変えゴールに向かう、自分の弱さに打ち勝つメンタルの強さは、スポーツでも企業でも役に立つとアピールしたそうだ。

<健康について>

学生時代から一人暮らしをしていた岩本さんは、身体のことには常に気遣っていた。自炊の時は、栄養バランスを考え色目でバランスを取った。栄養は3日でバランスを整えればよいと聞きそれを実践した。とはいえ、学生時代はリバウンドすることも多く、「10㎏増えた時は服を着こんで必死で隠しました」と笑う。無理な減量をせず、身体を動かすことで体重を減らした。躍起になって自分に制限を課すのはよくないと話す岩本さん。誘惑に負けた時は自分を許すことも大切だという。自分の中で食べてもOKという食品を決め、何時までなら食べてもよいなどのマイルールを作っていたそうだ。自分に厳しすぎると、それがメンタルに影響してしまいレースに支障が出ることもあり、かえってよくないと教えてくれた。現在は、ボート競技の選手である夫のために、栄養バランスを考えながら食事を用意している。

<出産>

学生時代からトップアスリートとして鍛えてきた岩本さんも、出産は大変だったと振り返る。陣痛から出産まで21時間、いつ終わるかわからない戦いは、練習では経験したことのない辛さだったという。体重制限のあるボート競技、現役選手時代は夏場に無月経になった。それでも、自分で意識して健康管理することで普通に出産もできる。今は、子供を育て上げることが岩本さんの目標のひとつだ。

<日本代表を経験して>

世界レベルにおいて日本のボート競技はチャレンジする側。国内でのレースの方がプレッシャーになったそうだ。とはいえ、オリンピックは特別で自分にプレッシャーをかけたという。ロンドン五輪の時、イギリスのスポーツ文化の成熟を感じた。どこへ行っても現地の人から声をかけられた。ボートレースの会場には仮設の遊園地があり、家族で観戦ができた。ボランティアの意識の高さも感じたという。「「現地の人は代表選手を通して日本のイメージを作る」と実感した。日本で五輪が開催される時は、海外から多くの人が日本を訪れる。「日本国民全員が日本代表」という意識を持ち、もてなすことが大事だ。

<スポーツ女子へのメッセージ>

「今やっていることに全力を注ぎ、自分に限界を作らないこと。スポーツでも勉強でも中途半端にしない。今目の前にある壁を乗り越えればきっと次につながります。自分がやってきたことに誇りをもち、私なら出来る!と信じて取り組んでください!」

<モチベーションを上げる時に聴いていた曲>サザンオールスターズの「轍」

プ ロ フィ ー ル
氏  名   岩 本  亜 希 子
生年月日   1978年9月25日
出 身 地   長野県諏訪市
身長・体重  173cm  57㎏
転機     中学では水泳部。岡谷南高で監督に誘われボート部へ。4歳上の姉もボート選手。
家族構成   父、母、兄、姉、弟

略歴

1985年
1991年
1994年
1997年
2001年
2003年
4月
4月
4月
4月
4月
4月
長野県諏訪市立城南小学校入学
長野県諏訪市立諏訪中学校入学
長野県立岡谷南高校入学
早稲田大学入学
日本体育大学大学院入学
アイリスオーヤマ株式会社入社 人事部所属

主な戦歴
2000年            8月        シドニーオリンピック 女子軽量級ダブルスカル 14位
2002年      10月       釜山アジア大会 女子ダブルスカル 銀メダル
2003年            9月        わかふじ国体 女子シングルスカル 優勝
2004年            8月        アテネオリンピック 女子軽量級ダブルスカル  13位
2005年            8月        FISA世界ボート選手権 女子舵手なしクオドルプル 9位
2006年            8月        世界選手権 女子軽量級ダブルスカル 15位
                  12月       アジア競技大会 女子軽量級ダブルスカル 2位
2007年            6月        全日本選手権 女子シングルスカル 2位
                   8月    世界選手権 女子軽量級ダブルスカル 9位
2008年            4月        北京オリンピックアジア予選 女子軽量級ダブルスカル 優勝
                   9月    北京オリンピック 女子軽量級ダブルスカル 9位
2009年            5月        全日本選手権 女子軽量級シングルスカル 優勝
            8月   世界選手権 女子軽量級シングルスカル 13位
            9月       第86回全日本選手権 女子シングルスカル 準優勝
              12月       東アジア大会 女子軽量級シングルスカル 3位
2010年            9月        第88回全日本選手権 女子軽量級ダブルスカル 優勝
                11月    世界選手権軽量級 女子ダブルスカル(LW2×) 14位/16ヶ国
                  11月        アジア大会 女子軽量級ダブルスカル 銀メダル
2011年            5月        ヒューゲルレガッタ 女子軽量級ダブルスカル 5位
                   6月        ラッツェブルグレガッタ 女子軽量級ダブルスカル 4位
                   8月        世界選手権 女子軽量級シングルスカル 10位 
                   9月        第89回全日本選手権大会 女子ダブルスカル 5位
2012年      4月   ロンドン五輪アジア大陸予選 女子軽量級ダブルスカル 優勝
              8月  ロンドンオリンピック 女子軽量級ダブルスカル 12位
     8月  世界選手権 女子軽量級クオードルプルスカル 10位
     9月  全日本選手権 女子シングルスカル 6位

取材 RanRun編集部 Yuki Yanagi

(2015年12月掲載記事リライト)