• 火. 4月 30th, 2024

栄養でも選手は強くなれる オリンピアンを支えた「勝ち飯」

選手村で提供する食事の主食からデザートまでのすべてを、アミノ酸を豊富にすることで疲労回復や筋力・体力づくりに関する問題を解決するという作戦。
この食事のことを「勝ち飯」と呼んでいる。

味の素株式会社(以下、味の素)が2021年9月9日(木)、味の素グループ高輪研修センターにて、ゲストに金メダリスト柔道の阿部一二三選手・阿部詩選手を迎え、味の素(株)「ビクトリープロジェクト®」東京2020オリンピック競技大会におけるアスリートサポート活動報告会を実施した。
オンライン取材に参加した栄養学を学ぶRanRunの学生スタッフが、レポートする。

味の素は、東京2020オフィシャルパートナーとしてJOC(日本オリンピック委員会)が設置する「JOC G-Road Station」に協力し、アスリートたちの食事をサポートした。
味の素「ビクトリープロジェクト®」とは、同社がJOCと共同で実施しているオリンピック日本代表選手強化支援事業のこと。
日本代表選手のメダル獲得数増・国際競技力向上のための“食”と“アミノ酸”の技術・ノウハウを用いたコンディショニングサポートを推進している。
選手村での食事は、新型コロナウィルス感染対策を徹底しながらのビュッフェ形式。
試合後の疲弊した状態で食事にくる選手たちの中には、食欲の無い選手もいる。
それでも体力を持続しなければならいため、ここでアミノ酸が活躍する。

味の素の管理栄養士が考案したメニューは、どの料理区分もアミノ酸が豊富であることに加え、例えばスープ1つにおいても出汁を「丸鳥ガラスープ」にしたり、「かつおだし」にしたり、「昆布だし」にしたりと、選手が飽きないように工夫がなされている。

また、練習時・合宿時には選手たちに向けた「勝ち飯勉強会」を実施。
選手たちは、試合に向け自分のコンディションを最高の状態にするために、日々栄養面に関する勉強の時間を作ったり、それを記録する時間を作ったりしているのだ。
それぞれに合った情報を提供されたうえで、勝ち飯のプログラムを体験していた。
疲労や緊張がもたらす「食べたくても食べられないという弊害」を、アミノ酸の働きをフル活用することによって解決することができるのは、選手にとって大きな利点だ。
実際に精神疲労の回復に効果的であるといわれる「かつおだし」(=飲むお出汁)を飲んだ選手からは、「ホットした」「スーッとした」「食欲がわいた」「癒された」といった声が続々。

連戦を戦いきるためのニュートリションプラン 空手日本代表チームのサポート
味の素株式会社オリンピック・パラリンピック推進室ビクトリープロジェクトチーム ディレクターの上野 祐輝氏は、空手日本代表チームのサポートについて報告。
選手たちが試合前日に勉強していた「ニュートリションプラン」について紹介した。
ニュートリションプランとは、「いつ」「何のために」「何を摂るか」ベストコンディションで戦うための栄養の戦略を練ること。
代表選手8名一人一人に合わせた、試合当日のニュートリションプランを策定し、「バテ」を感じずに連戦を最後まで戦いきることを目標にサポートした。
ビデオ出演した東京オリンピック空手男子型で金メダルを獲得した喜友名諒選手は、コンディションを調整するための食事の提供について、「万全な状態で本番の試合に挑むことができた」「自分で摂取したものが全て身になるから、勝ち飯のように常日頃からの栄養摂取が大切」とコメントした。

選手村で提供する食事の主食からデザートまでのすべてを、アミノ酸を豊富にすることで疲労回復や筋力・体力づくりに関する問題を解決するという作戦。
この食事のことを「勝ち飯」と呼んでいる。

味の素株式会社(以下、味の素)が2021年9月9日(木)、味の素グループ高輪研修センターにて、ゲストに金メダリスト柔道の阿部一二三選手・阿部詩選手を迎え、味の素(株)「ビクトリープロジェクト®」東京2020オリンピック競技大会におけるアスリートサポート活動報告会を実施した。
オンライン取材に参加した栄養学を学ぶRanRunの学生スタッフが、レポートする

「アミノ酸のはたらき」をフル活用した栄養戦略 柔道阿部一二三選手・詩選手のサポート
味の素株式会社オリンピック・パラリンピック推進室ビクトリープロジェクトチーム チームリーダー 栗原秀文氏は、柔道で金メダルを獲得した阿部一二三選手・詩選手のサポートについて報告した。

減量が必要な一二三選手と、減量は不要で強く健康なカラダを求める詩選手。
それぞれに合わせてアミノ酸の働きをフル活用したサポートを行った。
報告会に登壇した一二三選手・詩選手は、「栄養という面を通して自分がさらに強くなれるチャンスが見つかったと思った」「飲むお出汁(≒アミノ酸)を飲むと、食欲が無かったはずなのにご飯が進んだ」「(体重の)減量期でもトレーニングの最後まで最大のパフォーマンスができたという感覚があった」と、勝ち飯を絶賛した。

栄養面でアスリートを最大限にサポートすることができる「勝ち飯」
コロナ禍で選手たちは試合後直ぐに帰国しなければならない大会となったが、選手村に滞在期間中、「勝ち飯」を何度も食べに来る、いわゆるリピーターの選手が多かったそうだ。
アミノ酸による疲労回復や体力維持の効果を実感した選手が多かったということではないだろうか。
アミノ酸を豊富にするという条件のもと、バリエーション豊かな料理を考案し、実際に選手のコンディションを整えることができるのは、素晴らしい貢献だ。
選手ひとりひとりに合った食事を提供するという「勝ち飯」のメリットが、トップアスリートだけでなく、スポーツに取り組む多くの人、ひいては一般のひとたちの健康へと繋がることを期待したい。

RanRun編集部 学生スタッフ 永島 由美子(昭和女子大学 2年)

(2021年9月掲載記事リライト)