2017年10月2日にアスリートフードマイスター1級の土屋里恵さんをお招きして実施した一橋大学端艇部(ボート部)×ホームメイドクッキング×RanRun スポーツ女子の「食」を考える座談会の後編です。
MGの負担を軽くし、漕手の希望を取り入れつつ、土屋さんがアドバイスをしていきます。
そして、レシピコンクールの課題が固まりました。
◆朝食・昼食・夕食は主菜・副菜・汁物
朝食は主菜・副菜・汁物の3種類に決まっています。朝の副菜は卵を使うことに決めていて、汁物は味噌汁です。鉄分を摂れないメニューの日は、アイゼンという鉄分に特化したメニューを別に付けることになっています。
昼食は主菜・副菜の2種類です。
夕食は、主菜・副菜・汁物の3種類です。主菜は一品の時と二品の時があります。クッパのようなメニューは一品ですが、角煮など肉料理なら別に野菜のメニューを付けて二品になります。
山本:食事は漕手の体重別に規定量が決まっていて、白米は個人の裁量ということになっています。
普段、女子漕手は大体300gくらい。冬場は、私は増量期なので夜は700g、朝は500gくらい摂っています。
夕食から就寝までが1時間⁈
山本:レース前は寝る3時間前には食べ終わるようにしていますが、日頃の練習だと時間的にそれは難しいです。
土屋:食べてから1時間だと、血流が胃に行って消化に使われてしまうので、体の回復に回らなくなってしまいます。
午後練後のオニギリの量を50gから150gとか200gとかに増やして、夜ご飯を700gだったら500gに減らしてみるとかして、食べるタイミングをずらすといいと思います。
ご飯は七分づき米を使用⁉
一橋ボート部では七分づき米を食べるようにしています。
土屋:玄米は確かに栄養価が高いですが、胃腸の弱い方や貧血の方は食物繊維が多い事で逆に必要なビタミン・ミネラルの吸収を阻害する事もあるので注意をしなければなりません。
試合が近づいてくると緊張して胃腸の働きが鈍くなるので、出来れば試合シーズンは避けた方が望ましいです。どうしても玄米しかない場合は、普段よりも柔らかくご飯を炊き消化しやすくしましょう。
試合スケジュールに合わせて練習メニューを変動するタイミングで、お米の炊き方も変えるようにするといいですね。
人はプレッシャーがかかると早食いになったり、一口が大きくなったりします。
選手が早食いになったなと思ったら、50回くらい噛んで食べるように促しましょう。
食事メニューのレパートリーを増やしたい!
以前は「朝食はあっさり」という方針でしたが、今はレパートリーを増やそうという傾向になってきました。食べやすくて、手間がかからず、大量に作れることが課題です。
そのため、コストの安いひき肉を使っています。
ひき肉を使えるのは朝食だけと決まっているので、朝はハンバーグ、肉団子などひき肉を使ったメニューが多いです。
肉は夕食に多くなるようにしています。鶏肉(もも肉・ひき肉)か豚肉(コマ肉・ひき肉・バラ肉)を使い、週1回は魚を使うようにしていますが、魚は漕手があまり喜びません。
昼食は糖質を多めに、夕食は葉物を多めにしています。
直井:鶏ひき肉が多いけど、苦手な人も多いです。そぼろ丼のように汁がないのは、食べにくかったりします。口の中の水分がとられてしまって食べにくいので、卵をかけたりして食べています。
土屋:鶏肉を使うなら胸肉を使う方が、栄養的にもコスト的にもよいです。胸肉も切り方次第で、柔らかくパサパサにならないですよ。豚肉もバラ肉よりはコマ肉の方がいいですね。
☆鶏肉を使ったレシピを募集します。
ひき肉、胸肉などを使った「食べやすくて手軽にできる」がポイントです。
レース期間中の食事
レース期間中は糖質をメインにしています。レース食として、うどん・バナナ・ウィダーゼリー・カステラ・サンドイッチ・オレンジジュースなどを自分の必要な時間に注文して食べるスタイルにしています。
土屋:レース期間は、しっかり摂取した糖質をエネルギーに変えてあげるために、ビタミンB群も一緒に摂るようにするといいですね。
なぜ、魚を使わないの?
直井:魚は骨があるし、食べるのが面倒くさいので、モチベーションが下がります。
MG: 魚は鮭、サワラ、サバの冷凍の切り身を買うのですが、食べ方にバリエーションがなくて食べるほうも作る方も楽しくないんです。
土屋:肉は消化に時間がかかるから、魚の方がよかったりもするのよね。
魚に含まれるEPAは炎症を押さえたり、脂肪をエネルギーに変えやすくします。サバ缶や鮭缶などを使えば、骨まで柔らかくて食べられるし、保存も効くので便利ですよ。
第1回レシピコンクールの入賞作「サバ缶カレー」
山本「美味しそ~!!これなら食べたい!」
☆魚を使ったレシピを募集しよう! 選手が喜ぶ魚料理!
他には・・・?
直井:お米ばっかり食べてるので、たまにパスタとかパンとかあると嬉しいな!
山本:ラーメンサラダとかで糖質を補ってくれたり、お昼はパンケーキを作ってくれたりはしています。
MG:副菜は糖質とミネラル補給に作っていて、お昼の副菜は甘いものとかも取り入れています。ゴマ団子やスィートポテトを作ったことはあります。ホットケーキミックスを使ってパンケーキも出すことはありますが、あまりレパートリーがなくて。
ホットケーキミックスを使った食事メニューがあるといいですね。
☆アスリート向けパンケーキを募集しよう!
安上りで、糖質が摂れて、漕手が喜ぶようなパンケーキ
今回の座談会では、スポーツ女子の「食」をサポートするマネージャーさん、保護者、指導者の皆さんの参考になりそうな話がたくさん飛び出しました。
これを踏まえて、「ホームメイドクッキング×RanRun 第2回スポーツ女子の食を支えるレシピコンクール」を開催します。
撮影 RanRun学生スタッフ