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「血友病であっても日常生活にスポーツを取り入れて欲しい」と、同世代の子供と一緒にスポーツを楽しむ機会を作る「ハッピーシェアプロジェクト フットサル・ミーティング2016」(主催 バイエル薬品株式会社)が11月20日、ROX・3Gマルチコート(東京都台東区)で開催されました。

フットサル教室に参加する児童25名(血友病患児8名含む)を対象に、講師として「ケガを少なくフットサルを楽しむためのウォームアップ&クールダウン」の指導をした東京大学医科学研究所付属病院 理学療法士 野口恵先生。
子供達への指導の様子と共に、野口先生にお聞きしたウォームアップの捉え方をご紹介します。

血友病については、「血友病の子供にスポーツを!ハッピーシェアプロジェクト①」をご参照ください。

【ウォームアップ】
スポーツをする前には、ウォームアップが大切ですね。
そしてスポーツをする皆さんは、スポーツ後のクールダウンもしています。
理学療法士の野口先生は、子供達にウォームアップ・クールダウンで大事なポイントをお話されていました。これは、スポーツ女子の皆さんも意識しておきたいポイントです。
初めに行ったのは「ゾンビ鬼ごっこ!」

体が温まったら、柔軟体操。
筋肉を十分にほぐして伸ばしたら、関節回しをしていきます。

血友病の患児は、関節内での出血をおこしやすいため、予防としてスポーツで関節の周りの筋肉を鍛える指導が進んでいます。
ウォームアップでの関節回しは、血友病の子供にとって大切なメニューのひとつです。

「どこかいつもと違うなと思うところはないですかぁ? 自分でセルフチェックすることが大切ですよ」と野口先生が声をかけます。

「自分でセルフチェックできるようになってください!」
子供達に向かって野口先生は何度も話していました。

【クールダウン】
スポーツした後は、使った筋肉をクールダウンしていきます。
特に血友病の患者さんの場合は、スポーツした後の筋肉を充分に冷やすことが大切だそうです。

ここでも、「どこか痛いところはないかな。自分でセルフチェックしてみましょう」と声をかけます。

フットサル教室で動き回った後のクールダウンにも、子供達は一生懸命取り組んでいました。
終了後、野口先生にお話を伺いました。

学生時代バスケットボールをされていた野口先生は、高校生の時にじん帯を切る大怪我をしたことがきっかけで、理学療法士になったそうです。
ウォームアップは、個人にあったメニューを取り入れるのが理想的です。
「チームが集まったら直ぐにトレーニングに入れるように、自分でウォームアップしておくのがベスト」と野口先生は言います。
それぞれコンディションも違うし、競技によってもポジションによっても使う筋肉も違うのだから、本来は自分に合ったウォームアップをするべきと指摘。
「とはいっても、なかなかそうはいかないですよね」と苦笑しながら、みんなでウォームアップすることのメリットを教えてくれました。
チームみんなでやることで、お互いのことを見ることができる。今日は、彼女いつもと違うなと気づいてあげられると言います。
また、人を見ることで、それが自分にフィードバックされることにもつながるそうです。
皆さんもウォーミングアップする時は、その動きはなんのためにやるのかを意識して、自分のコンディション、仲間のコンディションをチェックしながらやるように習慣づけましょう。

ハッピーシェアプロジェクト② 福田正博氏フットサル教室の記事はこちら 

<講師紹介>
野口 惠(のぐち・めぐみ)先生
東京大学医科学研究所附属病院 
関節外科
理学療法士