気候変動や生物多様性の保全など、環境をめぐる課題はこれからの社会を担う若い世代にとっても重要なテーマです。2026年7月14日~15日に熊本市で開催される「第2回グローバルネイチャーポジティブサミット」では、企業や自治体、研究者らが集まり、自然と共生する社会づくりについて議論します。
さらに、阿蘇や球磨川流域などを訪れる体験型プログラムも用意され、熊本の自然や地域の取り組みを現地で学ぶことができます。
ネイチャーポジティブとは
ネイチャーポジティブとは、「2030年までに自然の損失を食い止め、回復へ転じること」を目指す国際的な考え方です。
2022年に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「生物多様性世界枠組(GBF)」では、生物多様性の損失を止めるだけでなく、自然を再生し、より良い状態へと回復させることが世界共通の目標として掲げられました。
森林や草原、河川などの自然環境は、私たちの暮らしを支える水や食料、生態系サービスの基盤です。
ネイチャーポジティブは、こうした自然の恵みを未来につなぐための取り組みとして、世界各国で推進されています。
第2回グローバルネイチャーポジティブサミット(Global Nature Positive Summit)
国際自然保護連合日本委員会(事務局:日本自然保護協会)、ネイチャーポジティブイニシアティブ、ICLEI日本が、実施するネイチャーポジティブサミットは、ネイチャーポジティブの実現に向けた企業、金融機関、自治体などの取り組みや成果を共有・発信する場です。
第2回となる今回は熊本市で開催され、「2030年までに自然損失を食い止め、回復へ転じる」という世界目標の実現に向けて、民間や地域レベルで進められている実践事例に焦点を当てます。
特に企業・金融機関と地方自治体の役割に注目し、その知見や成果を国内外へ発信することを目的としています。
自然保護は専門家だけの課題ではありません。
企業や自治体、地域住民など多様な主体が関わりながら、未来の社会を支える自然との共生を考える取り組みが広がっています。
熊本の自然を体感できる4つのエクスカーションを実施
サミット翌日の2026年7月16日(木)には、開催地・熊本を舞台にした特別なエクスカーションが実施されます。
このプログラムは、サミットで共有された課題や解決の方向性について、熊本の豊かな自然や地域文化に触れながら理解を深めることを目的としたものです。
農林中央金庫、公益財団法人阿蘇グリーンストック、株式会社肥後銀行、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、イオン株式会社の協賛のもと、参加者は地域の多様な自然環境を訪問。
現場で活動する実践者との対話を通じて、ネイチャーポジティブの取り組みを学ぶことができます。
用意されているコースは次の4つ。
- 菊池川流域における「SATOYAMA」体験ツアー
- 阿蘇草原の聖域を訪ねる草原保全体験ツアー
- イオンふるさとの森づくり植樹体験・江津湖を巡るツアー
- 自然と共存する流域の旅 ― 球磨川ツアー
参加申込は6月9日より専用ウェブサイトで受け付けています。GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT エスカーションのご案内
なお、本エクスカーションはサミット参加者限定のプログラムとなっています。
エクスカーションコース紹介
菊池川流域における「SATOYAMA」体験ツアー
協賛:農林中央金庫
熊本県菊池市は、里山や人工林が広がる緑豊かな地域です。
これらの森林は水源の涵養や生態系の保全など多様な機能を担っており、長年にわたる適切な管理によって豊かな水資源や自然環境が維持されてきました。
この維持管理を一体的に担っているのが菊池森林組合であり、菊池の自然を未来へとつないでいます。
本ツアーでは、同組合による施業現場を訪れて実際の作業や森林の姿を見学します。
現場での体験を通じ、菊池の豊かな自然がどのように守られているのかを分かりやすく実感していただける内容です。

阿蘇草原の聖域へ── この日だけの特別な体験。草原の守り人になる旅
協賛:公益財団法人 阿蘇グリーンストック
阿蘇の草原は、千年以上続く人の営みで維持され、生物多様性や地下水を育み約100万人の暮らしを支える希少な環境です。 しかし、高齢化などで面積が激減、深刻な危機に瀕しており、今まさに持続可能な管理の仕組みが求められています。
本ツアーでは普段立ち入れない肥後の水と緑の愛護基金の草原へ特別に案内し、草刈りや野焼き文化の体験などのアクティビティを通じて草原と水、地域の結びつきを五感で学びます。
あわせて、草原を未来へつなぐ新しい社会的基盤として、管理現場へ直接寄付が届く「九州の水を育む阿蘇の守り手基金」の仕組みもご紹介します。

イオンふるさとの森づくり植樹体験・江津湖を巡るツアー
協賛:イオン株式会社、協力:熊本市
イオンモール熊本を舞台に、35周年を迎えるイオンの「ふるさとの森づくり」を体験し、熊本市最大の湧水池・江津湖を巡るツアーです。
イオンは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念に基づき、地域のお客さまとともに全国で植樹活動を展開しています。
本ツアーでは「宮脇方式」を参考にした植樹を体験し、店舗敷地内で育つ「イオン ふるさとの森」を見学します。
店舗を起点に都市の中で森を育み、地域の自然や生きものとの関わりを広げていく取り組みを現地で体感できる内容です。

自然と共存する流域の旅 — 球磨川ツアー
協賛:株式会社肥後銀行、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社
本ツアーでは、球磨川流域を舞台に“自然と共生する流域”を体感します。
清流・川辺川や、自然が防災機能を果たす地形を巡り、車窓から茶畑などの自然の恵みと産業のつながりを眺めつつ「瀬戸堤自然生態園」へ向かいます。
ここは「迫」と呼ばれる地域特有の湿地で、両社が参画するプロジェクトにより保全が進められています。
球磨川沿いでの昼食後は、球磨焼酎の醸造所や国宝「青井阿蘇神社」などを見学しながら、2020年の大規模水害の様子も振り
返ります。
多様な自然と水がもたらす「恵みとリスク」が一体となった暮らし、そしてそこからの再生の姿に触れる旅です。

各コースの詳細はこちら(https://www.knt.co.jp/ec/2026/GNPS_exc/)
※本エクスカーションは、サミット参加者限定のプログラムです。エクスカーションのみのお申込みはできません。
※記載されているスケジュールや訪問先は、当日の天候や交通状況、現地状況により変更となる場合があります。
◼︎「第2回グローバルネイチャーポジティブサミット」開催概要
- 主催:Nature Positive Initiative(NPI)、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)
- 会 期:サ ミ ッ ト:2026年7月14日(火)~15日(水)
エクスカーション:2026年7月16日(木) - 開催地:熊本県熊本市
- 会 場:熊本城ホール(〒860-0805 熊本県熊本市中央区桜町3-40)
- 参加者:政府関係者、研究者、市民社会、 NGO、企業など 2,000人以上を予定
- 共 催:一般社団法人 イクレイ日本、環境省、農林水産省、国土交通省、サミット発起人組織委員会
- 協 力:株式会社 日経BP
- 詳細はこちら:https://events.nikkeibp.co.jp/event/2026/GNPS_jp/
